個人事業主、経営者、社長の違いって何だ?

知恵袋に次のような質問が載っていました。

個人事業主と経営者(社長)の違いをわかりやすく教えてください

この手の言葉の違いは、意外と分かりづらいのかもしれません。まあ、ビジネスをやっている人なら、自然と使い分けられるようになる気もしますが。

社長のイメージ

知恵袋の回答が微妙でした

回答を見ても頓珍漢なものが多かったです。例えば「経営者とは、法務局に法人登記している『代表取締役』です」なんて回答がありました。

はっきり言って、完全に誤解しています。というか、こんなふうにビシッと定義できるものではないのです。

例えば、この書き方だと、個人事業主は経営者ではないことになってしまいます。でも、必ずしもそうとは言い切れません。

こんな回答を得るくらいなら、国語辞典でも引いたほうが遥かにましでしょう。最近はネット辞書もありますから、調べる手間としては知恵袋に聞くより簡単です。

まあ、国語辞典などで調べてみてもわからないから、知恵袋で聞いてみた可能性もありますけどね。でも、間違った知識なら得ないほうがマシです。

何にしても、こんな回答が出てくるということは、意外とちゃんと分かっていない人が多いのかもしれません。そこで、しっかり確認しておこうと思います。

個人事業主とは

先ず個人事業主ですが、国語辞典では次のように定義されています。

こじん‐じぎょうぬし 〔‐ジゲフぬし〕 【個人事業主】
法人を設立せず個人で事業を営んでいる人。個人事業者。自営業者。自営業主。こじんじぎょうしゅ。(デジタル大辞泉)

法人を設立しないで、個人として事業を営む人のことを個人事業主と言います。「個人として」というのが重要なポイントですね。

経営者とは

次に経営者に関しては、次のように定義されています。

けいえいしゃ【経営者】
会社や商店を営む者。特に,会社事業を営む者。(大辞林 第三版)

この定義によると、商店を営むものも経営者ですから、個人事業主である経営者にもいるということになります。

ただ、個人事業主を経営者に含めるかどうかは微妙なラインのようですね。「特に,会社事業を営む者」とあることから、会社の経営をする人だけを指して、経営者と呼ぶ場合もあるわけです。

まあ、あまり厳密的な語ではないということですね。ですから、話して(あるいは書き手)は自分の中の定義でつかうわけです。そして読み手(あるいは聞き手)が、文脈から判断する必要があります。

また会社事業を営んでいればいいので、会社に限定したとしても代表権を持っているかどうかは問われません。もっと漠然とした言葉なのです。

もちろん、従業員数の少ない中小企業なら、会社の社長が経営者で良いのでしょうけどね。この場合は、会社の社長が代表権(法人を代表する権限)を持っている可能性が大きいでしょうし。

ただ、何十人も取締役がいるような大企業だと、1人で意思決定をしているわけではありません。その場合は、経営者は1人には限定されないことになります。

例えば大企業だと、会長がいて、社長がいて、CEO がいて、CFO がいて、COO がいるなんて言う場合もあるでしょう。この場合は誰か1人を経営者と呼ぶのは難しいでしょう。

会社の代表取締役は、複数人がなることも可能です。ですから、経営者を1人に絞る必要は無いのですけどね。とは言え、上に挙げたような人たちが、全員が全員、代表権を持っているわけでも無いでしょうし。

ちなみに、会長と社長では、どっちが偉いのか外からではわからないことも多いですからね。会長は名誉職という会社もあります。

まあ、ようするに、厳密な定義のないフワッとした言葉なわけです。

社長とは

最後に社長ですが、これに関しては次のように定義されています。

しゃ‐ちょう 〔‐チヤウ〕 【社長】
会社の業務執行の最高責任者。会社代表の権限をもつ。(デジタル大辞泉)

会社の最高責任者で、会社の代表権を持つ人のことを言うわけです。まあ、これは明確ですね。

整理してみましょう

以上の内容を整理してみましょう。

まず、社長も個人事業主も、広い意味では経営者です。ただ、人によっては個人事業主を経営者に含めない場合もあります。

個人事業主は経営者の中でも、個人として事業を営む人のことを言います。一方の社長は、会社の代表で業務執行の最高責任者として事業を営む人のことを言います。

ということは、個人事業主を経営者に含まれる場合、それぞれの関係は次のようになります。

経営者、社長、個人事業主、代表取締役の関係
経営者、社長、個人事業主、代表取締役の関係

あるいは、個人事業主を経営者に含めない場合は、次のような関係になります。

経営者、代表取締役、社長、個人事業主の関係②
経営者、代表取締役、社長、個人事業主の関係②

ですから、「個人事業主と経営者(社長)」という書き方は、実はあまり正しくないわけです。この書き方だと「経営者=社長」ということになってしまいますからね。

しかし実際は、そんなことは無いのです。社長は経営者ではありますが、社長だけが経営者ということではありません。また、個人事業主を経営者と呼ぶこともあります。

まあ、細かい話ですけどね。

とりあえず、経営者と言う語が曖昧なので、なんだかよくわからないという感想を持つ人がいても不思議ではありません。

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