マスコミの印象操作の手口について考えてみよう| 分かり易い例を一つご紹介します

マスコミというのは、真実を伝えるというのが建前ですよね。でも、実態としては、自分達の都合の良いように印象操作をする事も珍しくはありません。

先日たまたまネットニュースを見ていたら、典型的な印象操作の記事を見つけました。マスコミがどんな手口で印象操作をするのかチェックしてみましょう。

ここまで手口が雑なものは少ないのですけどね。手口がずさんすぎて、逆に参考にしやすいはずです。

事実と正反対のことが書かれている芸能記事

今回ご紹介するのは、アサ芸プラスというところの記事です。もともと信頼性が低い媒体なので、印象操作もあからさまです。ですから、印象操作の手口の参考にするにはちょうど良いとも言えるでしょう。

他の媒体は、もう少し上手に印象操作をしているように思います。でも、大きな方向性としては、だいたいこの記事と同じようなことをしていると思っても良いでしょう。アサ芸プラスほど雑では無いというだけの話です。

ちなみに、今回紹介するのは、2015年6月15日に掲載された「バカリズムMCの音楽番組『バズリズム』が早くも終了フラグのワケ」という記事です。タイトルから分かるように、この番組が今にも終わりそうだという事を書いています。

でも、記事の内容をつめてみると、実態は正反対であることが分かりました。しかも、捏造のしかたがあまりに露骨なのです。

以下、記事の本文を引用しつつ、詳細を見ていきましょう。

ゴールデンタイムの番組と深夜1時の番組を並列に比較

まず、記事の冒頭部分です。「バズリズム」の状況を次のように説明しています。

今春にスタートした音楽番組が、早くも終了するのではと心配されている。鳴り物入りでスタートした「水曜歌謡祭」(フジテレビ系)が6月3日に平均視聴率3.8%と低迷しているのも話題だが、バカリズム升野英知をメインMCに起用した「バズリズム」(日本テレビ系)も3%がやっとという状況だ。

番組の調子が悪いのがニュースにもなっている「水曜歌謡祭」と比較して、「バズリズム」はそれよりも悪いと言っているわけです。「水曜歌謡祭」は森高千里を引っ張り出してきたのに大コケした事で大きな話題になりましたね。それよりも視聴率が悪いということで、悪印象を与えようとしている部分です。

でも、これって、かなり酷い話ですよね。ウィキペディアによると、水曜歌謡祭の放送時間は「毎週水曜日の19:57 – 20:54」とあります。一方、バズリズムの放送時間は「毎週土曜日0:30 – 1:30」とあります。

つまり、夜8時台の番組と深夜1時台の番組を比べて、さらに視聴率が低いと批判しているわけです。いくらなんでも、まともな議論とは言えません。

通常だったら、この事実に気づいた段階で、読むのを辞めるような記事です。でも今回は、印象操作の手口の勉強なので、引き続き読み進めていきましょう。

同時間帯の音楽番組と比較しているが…

次に、同時間帯の音楽番組と比較しています。「COUNT DOWN TV」と比べて、「バズリズム」は全然ダメだと酷評しているのです。

その一方で、「COUNT DOWN TV」(TBS系)のように長寿を誇る音楽番組もある。この違いは何だろうか。

「『COUNT DOWN TV』の上手いところは、まるでスマホのニュースアプリを見ているように、次から次へといろんな情報が飛び込んでくるところです。ランキングを淡々と紹介したかと思えば、著名アーティストのコメントが飛び込んできたり、新曲の未発表PVが流れたりと、視聴者を飽きさせません。若者の移ろいやすい興味を繋ぎ止める構成になっているんです」(前出・音楽ライター)

この部分を読むと、「COUNT DOWN TV」はさぞかし高視聴率を取っていると思いますよね。逆に、「バズリズム」は視聴率で「COUNT DOWN TV」に大敗しているような印象です。

でも、具体的な数字を比べてみると、「COUNT DOWN TV」よりも「バズリズム」の方が視聴率が高いのです。数字が悪い番組を褒めて、それよりも酷いといって批判しているわけです。

具体的な視聴率を見てみましょう。まず、2015年6月1日(月) ~ 6月7日(日)の関東地方の音楽番組の視聴率(ビデオリサーチ発表)を比べると、「バズリズム」が3.3%なのに対して、「COUNT DOWN TV」は圏外でした。もう一つ、2015年5月18日(月) ~ 5月24日(日)の視聴率を比べると、「バズリズム」が3.7%なのに対して、「COUNT DOWN TV」は3.1%でした。

これ以前の回も調べて見ましたが、「バズリズム」がコンスタントに「COUNT DOWN TV」を上回っているようです。また、「バズリズム」が音楽番組の視聴率ベスト10に比較的コンスタントに入っているのに対し、「COUNT DOWN TV」はベスト10に入れていないことが多いです。

つまり、実際の視聴率は、記事を読んだ感想とは全く逆のものだったのです。もちろん番組の評価は、視聴率が全てでは無いとは思います。でも、そもそも番組の打ち切りの話をしているわけですから、それよりも視聴率が悪い番組を持ってきても何の意味もありませんよね。

都合の悪い部分は見せずに自分の主張を展開するのが手口

ここまで見てきたように、この記事に書いてあることは滅茶苦茶です。「バズリズム」という番組をターゲットに絞り、根拠が全く無い誹謗中傷をしているだけなのです。

多少なりとも状況を知っている人は、この記事が出鱈目であることはすぐに気が付くでしょう。でも、予備知識が無い人が読んだとしたら、この荒唐無稽な批判でも信じてしまう可能性はあるはずです。

かなり強い調子で断定していますからね。素直に信じる人が多いんじゃないかなあ。深夜番組なので、存在自体を知らない人もいるでしょうし。

今回は信頼性も低いメディアですし、印象操作の程度も低いものでした。でも、他の媒体でも、多かれ少なかれ近いことはやっています。具体的には、自分たちの主張に都合のいい部分だけを紹介して、印象を捻じ曲げようとするのです。そして、都合が悪い部分は、最初から無かったかのような態度を取るわけです。

誤った印象を持たないようにするためにも、ちょっとでも疑問に思ったら、裏を取る習慣は必要でしょうね。そうしないと、バイアスがかかった情報を与えられて損をするのは自分ですから。

注意が必要です。

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