経済政策が上手く行っていると支持率は下がりにくいのでしょうね| 人々が一番関心があるのは自分の損得

安保関連の法案が衆院を通過し、各社の世論調査がでてきています。各社とも、不支持が支持を逆転という見出しで記事にしているようです。

ただ、記事をよく見ていると、単純に内閣支持率が下がったという以上に面白いポイントがありました。どうも、マスコミの報道しているニュアンスとは違う点も、多々見られるのです。

政治的な主張に関しての善悪はここではおいておいて、世論調査の数字からどんな傾向が読み取れるのか見てみましょう。

マスコミは内閣の支持と不支持が逆転したことを大々的に伝えるが…

今回の世論調査でマスコミが一番注目したのは、内閣の支持率と不支持率が逆転したと言う点でしょう。特にリベラル系のメディアは、大はしゃぎしている印象です。

内閣支持率が下がって不支持率が上がっていると言うのは、まさにその通りなのでしょう。安倍政権が嫌いで仕方がないリベラル系のメディアが浮かれる気持ちも分かります。

でも、一緒に調査されている政党支持率を見ると、その印象はかなりかわるはずです。政党支持率で見ると、支持率はほとんど変化が無いのです。

論より証拠でしょうから、具体的に政党支持率がどう変化したのかいくつか見てみましょう。ちなみに、カッコ内が前回の調査の数字です。

●読売新聞1
自民党:36%(35%)
民主党:8%(9%)

読売の調査だと、自民が微増で、民主が微減と言う感じですね。内閣支持率は下がったのに、自民党の政党支持率は下がらなかったのです。

●産経新聞2
自民党:33.7%(34.8%)
民主党:9.8%(10.5%)

産経の調査だと、自民、民主ともに微減と言う感じです。

●時事通信3
自民党:23.6%(24.2%)
民主党:5.5%(6.4%)

時事通信でも同じように、自民と民主ともに微減と言う感じです。

●毎日新聞4
自民党:28%(31%)
民主党:10%(7%)5
2015年07月08日

民主党は他紙とは傾向が違い、自民が減らし民主が増やすという結果でした。しかも、他紙よりも、数字の動き方が大きいようです。

自民党の支持率は大きく下がらなかった

毎日新聞の調査を除けば、政党支持という意味では今回の安保法案は大きな影響が無かったことが分かります。つまり、次に選挙をやっても、議席の大きな変動は無い可能性が大きいという事です。少なくとも、今度の安保法制では大きな動きがありませんでした。

安倍内閣だけが少し人気を落としたものの、与党自民党の支持に影響は無かったと見てよさそうです。自民党の支持は安定しています。

また、民主党に取っても、ほとんどプラス要因にならなかったという認識で良いのでしょう。共産などの少数政党は、もしかしたら、少し支持をのばしているのかも知れないですけどね。

このような状況ですから、全体としては、大山鳴動してねずみ一匹というような印象を持っています。日本の選挙が政党選挙である以上、政党支持率に大きな動きが無ければ、大きな変化は無いと見るのが自然でしょう。

マスコミの皆さんは、この点に関してはあまり触れていないようです。自民党の支持率が下がり民主党の支持率が上がるという結果が出た毎日新聞だけは、記事の中でちょっと触れているみたいですけどね。

リベラル系のメディアにとっては、思ったような結果ではなかったということかもしれません。

民主党にとってはマイナスだったのではないか

個人的には、今回の騒動は、民主党にとってむしろマイナスではなかったかという気すらします。民主党は勝ち誇ったような態度を取っていますけどね。

民主党は今回、プラカードを議場に持ち込んで抗議するという、稚拙な対応をしていました。率直に言って、こんな政党に政権を任せる気にはなりませんよね。昔の社会党を見ているようでしたから。

ただの反対野党なら、こんな感じでも良いのでしょう。最初から政権を取る気が無いのなら、まったく問題はありません。

でも、民主党が自民党に代わり得る政権を取れる政党であることを目指しているわけですよね。そうであれば、むしろ逆効果だったとしか思えません。もうちょっとやり方もあったと思うのですが。

このあたりが、民主党の支持率が上がっていない理由なのでは無いかと思われます。

思ったほど内閣支持率が下がっていない理由は?

さて、内閣支持率が下がったとは言え、安倍政権の内閣支持率は4割前後というところにあります。支持率が下がってはいるものの、思いの他高い水準を維持しているという見方も出来そうです。

おそらく、かつての自民党政権が今回のような対応をしていたら、内閣支持率はもっと下がっていたことでしょう。というか、途中で挫折して法案を通せなかった可能性すら小さくなさそうです。

過去のいくつかの政権の例を見る限り、1桁まで落ちても不思議では無いはずですよね。実際、1年持たずに退陣してしまい、大きな法改正が出来なかった内閣が多かったですからね。

今回内閣支持率の下落が限定的だった理由は何なのでしょうか。個人的には、経済政策に満足している人が多いので、支持率が下がりにくいのだと思っています。

ギリシャ問題や中国株問題で一時的に株価が下がることはありましたが、日本株は基本的に堅調に推移しています。雇用に関してもかなり改善しています。

経済政策は私たちの生活に密接に関連していますからね。経済政策が上手く行っている政権と言うのは、簡単に潰されたりはしないものです。

これは、過去の政権を見ても同じようなことがいえます。近いところだと、小泉政権が長期政権になったのも、在任中の景気が良かったからだという話がありますね。

今後どうなるかはわかりませんが、経済が好調なうちは安倍政権は安泰な可能性が大きいと思っています。

中国はヤバいんじゃない?

ところで、景気が政権の安定感につながるという事であれば、現在の中国はかなりヤバい状況下もしれませんね。上海総合指数を巡るドタバタを見ているだけでも、相当追い詰められているのが見て取れます。

あの国の場合は、正しい統計を知ることが出来ません。ですから、どこまで景気が悪いかは、はかりかねる部分はあるのですけどね。景気が悪いと言う事自体は間違いないでしょう。

ここまでの十数年の中国は、毎年経済的に国が豊かになるので、政府の強引な政策にも大きな反発が起こらなかったといわれています。大きな反発が起こらなかったといいながら、年間数十万件単位で暴動は起きているのですけどね。政府が鎮圧できるレベルの暴動しかありませんでした。

しかし、成長が止まって経済的な恩恵が受けられなくなると、今までの状況が大きく変わるということですよね。はたして、将来の豊かさにかげりが見えたときに、中国国民の反発を抑えることが出来るのでしょうか。ちょっと興味深いところです。

ちなみに、中国国内の治安が悪くなることは、日本にとっても大きなデメリットになる可能性があります。一番ありえそうなシナリオは、国内の不満の矛先を海外にそらすという方法です。具体的には、軍事的に色々動いてくる可能性もあるわけですね。

中国経済の変調を喜んでいる人も中にはいるようですが、そんなに単純な話でもないようですよ。


  1. 内閣支持が最低43%…不支持49%、初の逆転
    読売新聞 2015年7月26日 []
  2. 本紙・FNN合同世論調査 内閣支持と不支持が初めて逆転
    産経新聞 2015年7月20日 []
  3. 内閣支持、最低の40.1%=安保法案「説明不十分」7割―時事世論調査
    時事通信 2015年7月17日 []
  4. 毎日新聞世論調査:内閣支持急落35% 安保強行採決、68%「問題」
    毎日新聞 2015年07月19日 []
  5. 内閣支持率:各社世論調査拮抗 中間層「反安倍」にシフト? []

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