ここまで書いてきたように、共同経営というのはかなり難しいことのようです。
まず、お金の扱いがとても難しいです。ちょっとした出費でももめる可能性があります。それに、細かい意思決定するだけでもトラブルの原因になることもあります。そもそも個人事業主は共同経営を想定していないので、どうやって対処するかという問題も残ります。
もちろん、会社を作れば制度上は共同経営することも可能です。しかし、すぐに会社を作るのが難しい場合も多いはずですよね。それに、対等な立場で共同経営するのが、ベストの方法とは限りません。
個人事業主の形で共同経営をするには、どうしたら良いのでしょうか。
それぞれ個人事業主として起業する道を考えるのが良いと思います
どうしても誰かと一緒にやりたいのなら、事業のなかで役割分担をキッチリ分けて、それぞれが個人事業主として独立するのが良いのかもしれません。片方がもう片方に仕事を依頼する形にするのです。
例えば、AさんとBさんの2人で学習塾を開くことを考えたとします。この場合、Aさんが個人事業主として学習塾を開くことにするのです。それではBさんはどうするかというと、フリーの講師及びアドバイザーとして個人事業主になます。そして、Aさんとの間で契約を結ぶわけです。Aさんは経営に専念し、授業や他の講師の指導の部分はBさんに任せるように出来れば尚良いでしょう。
この学習塾の経営者はあくまでAさんです。Bさんは助言は出来ますが、最終的な決断をするのはAさんとなります。また、AさんからBさんへの代金の支払いは、契約書をキッチリと作って具体的に決めておきます。
こんな形にすれば、お金の流れは明確になります。また、最終的な意思決定者も役割分担も明確なので、言い争って決まらないなんてこともなくなります。
もしかしたら、かなりドライに感じるかもしれません。しかし、このくらい割り切って経営しないと、おそらく上手くいかないでしょう。
片方が放棄した時に対応しやすい
こんなふうに別々に起業するのには、別のメリットもあります。どちらかが突然止めたくなった時に、対処しやすいのです。
2人がお金を出し合って起業したりすると、片方が辞めた時に出資金を返せなんて話になりますよね。でも、事業資金を簡単に返すなんて、普通は聞ける相談ではありません。
しかし、今回の場合は、学習塾はあくまでAさんのものです。ですから、Bさんが自分でも学習塾を経営したいと思えば、Aさんと分かれて自分の学習塾を作ればいいのです。上手くいかないときには、簡単に別れることが出来ます。
もちろん、業務を円滑に進めるためには、突然辞められるのは困ります。それでも、ある程度の時間をかけてすすめれば、二人が袂を分かつのは意外と簡単です。何よりいいのが、お金の面でトラブルがおきにくいという点です。
ドライに線引きする部分も必要です
こんなふうなドライな関係だと、ちょっと嫌だと言う人もいるでしょう。しかし、何となくで一緒にビジネスを始めてしまうと、後々大きな苦労が待っている可能性が大きいのです。例えば、自分が思っているほど相手が働かないなんて不満は、どんな人でも持つ可能性があるでしょう。
ですから、分けられる部分は、最初のうちにしっかり分けておくことをおすすめします。あくまでビジネスですからね。当初の信頼関係だけですすめていくと、苦労しますよ。
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