コストを削減しようとするのは、事業を行う上で大事なことです。でも、コストにこだわりすぎると痛い目を見ることがあるようです。
2014年の7月に、マクドナルドやファミリーマートが輸入している鶏肉が、消費期限が切れているものだったことがわかったのです。1 おそらくこの一件で、両社はかなりのダメージを負うでしょう。コスト削減をした以上のデメリットがある可能性も大きいです。
他山の石とするためにも、ポイントをチェックしておきましょう。
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何でわざわざ中国の鶏肉を?
そもそも不思議なのが、マクドナルドが何で中国の鶏肉を使おうと思ったのかです。コストのことを考えると、確かに、国産の鶏肉は難しいですよね。でも、よりにもよって、何で中国かと思うのです。
中国といえば、かつて冷凍餃子事件があったところですよね。また、廃油から卵を作るなんて恐ろしいうわさもあったところです。その他にも、食の安全という点に関しては、中国は悪いうわさの宝庫です。
いまだに中国食品には不信感を持っている人が多くて、中国産の表示の食品は積極的に避ける人も多いはずです。他の外国産の食品と比べても、かなり印象が悪い地域といっていいでしょう。
ということは、万が一何か問題が起きたときに、他の国から輸入していた場合よりダメージが大きいと思うんですよね。そんな印象が悪い地域からわざわざ輸入するなんて、安全に対する意識が低い企業なのかと思ってしまいます。
中国の食材はコストが安いために、なかなか外せないというのが実態のようですけどね。2 結果的に高くついたのではないかという印象は免れません。
リスク管理からすると駄目だよね
リスク管理という点からすると、どう考えても他の地域の鶏肉を使っておくべきだったのでしょう。問題が起こったときに、ダメージが大きいのは明らかだからです。「中国産の食材を使う = 食の安全への意識が低い」というような等式が、消費者のイメージの中に定着していますから。
中国の鶏肉が特に安かったということでしょうかねえ。あるいは地域的に近いから便利だったのでしょうか。
何にしても、マクドナルドほどの企業が、ちょっと軽率だったような気がします。単純に、消費期限切れの商品を使っていたという以上に、企業イメージへの影響が大きいと考えられます。
しばらくはマクドナルドにいきたくないという人も多いはずです。たぶん、安い鶏肉を使ったメリット以上に、ブランドイメージの毀損の方が、影響としては大きいでしょう。
また、これを書いている時点ですでに、チキンタツタPRイベントをやめるなどの実害も出ているみたいですね。3
もっと駄目な対応をとったのがファミリーマート
マクドナルドよりもさらにひどかったのがファミリーマートです。中国の鶏肉を使っていたのが発覚しただけならまだしも、今後も中国でパートナーを探すという趣旨の発言をしたのです。
率直に言って、かなり驚きの発言でした。消費者の中国の食材に対する不信感を理解していないのかなあ。仮に中国の食材を今後も使うにしても、黙って使えばいいと思うのですけど。
事件発覚後の火消しにも失敗したという意味で、リスク管理としては疑問だらけです。
株価にも注目してみましょう
実際の被害に対する影響を市場はどう判断するのでしょうか。今後は株価にも注目したいですね。
ちなみに、これを書いている時点で、すでにマクドナルドの株価には影響が出ています。ファミリーマートも輸入していたというのは発覚したばかりなので、影響はこれからのようです。
追記:マクドナルドは一定の影響があった
その後確認した感じだと、マクドナルドは株価に一定の影響がありました。しかし、大きく下げたということでもないようです。ちゃんと計算していませんが、5%程度の下落があったようですね。ただ、出来高を見ると大きく増えているので、人々があわてて売買したのは間違いないようです。
一方、ファミリーマートの株価はほぼ横ばいといった感じでしょうか。まあ、マクドナルドと比べると、売り上げに対する影響は小さいということなのでしょう。また、社長の発言も、ネットで話題になっているだけのようです。テレビのニュースで大きく取り上げられているわけでも無いようですから、大きく株価を動かす要因には成らなかったということなのかもしれません。社長発言に関しては、じわじわと効いてくるのかも。
- <期限切れ肉>日本に5956トン 全量マックとファミマ(毎日新聞)2014年7月23日 [↩]
- 食材調達先、中国外せず=コスト安が魅力―国内食品メーカー、外食(時事通信)2014年7月23日 [↩]
- チキンタツタのPR自粛 マック、期限切れ肉発覚受け(朝日新聞デジタル)2014年7月23日 [↩]
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