「年収2,000万円以下お断り」のコピーで大炎上したローストビーフ通販のレストランから学べる事は多そうです

熊本のカリフォルニア料理専門店「KAWAZOE」というところが、高級なロースとビーフを売り出しました。しかしその販売のために付けたキャッチコピーのために、クレームやら嫌がらせやらを受けているようです。1

今回の事態は、個人事業主にとって勉強になる部分も多いはずです。そこで、事の経緯を確認した上で、ちょっと考えてみましょう。

炎上した経緯は?

まず、炎上したサイトに書かれていたのがどんなコピーだったのでしょうか。実は、「貧乏人お断り」「年収が2000万円以上あるような経済的・精神的に裕福な方を対象」といった、かなり過激なものが使われえていたそうです。かなり挑発的ですね。

しかも、過激なポイントはそれだけではありません。貧乏人お断りの理由について、更に煽るように、次のように言っているそうです。

貧乏人お断りの理由については、「化学調味料や添加物等で、舌の感覚が麻痺している」、「値段だけでしか物の価値をはかれず、作り手の情熱を軽視する」、「見当違いなクレームを言ってきそう」という3点を挙げた。

この部分は、J-CASTニュースの記事からの引用ですね。

つまり、お金を持っていないことで、人間として能力が劣るとか、正常な行動が出来ないと言っているようなのです。意図してけんかを売っていると解する人がいても、全く不思議は無いですよね。

クレームはともかく、嫌がらせはいけない行為だと思います。でも、ここまで挑発したら、何らかの嫌がらせを受けたとしても、自業自得としか言えませんよね。

記事を読む限り、オーナーシェフの川添賀一と言う人は、自分が被害者だと言いたいようです。「日本人の道徳観はこれだけ落ちたかと、不愉快でした」なんて事を言ったようですから、自分が悪いとは思っていないのでしょうね。

もしかしたら、炎上してしまって、冷静になれていないだけなのかもしれませんけどね。客観益に自分を見ることが出来ないタイプの人なのかなあ。

何を狙っていたのか良く分からない

このレストランが超が付くほどの高級店で、本当に年収2,000万円以上の人を対象にしているのなら、百歩譲って今回のようなコピーもアリなのかもしれません。でも、実際の店舗は、そこまでの高級店ではないのです。

例えば、ディナーのコースだと4,500円から提供しています。一番値段が高いコースでも7,000円です。価格面から判断する限り、これだと高級店とすら言えないですよね。少なくとも、年収2,000万円云々と言うレベルの店ではありません。普通のサラリーマンでも十分に使える価格帯です。

さらに言うと、ランチは1,000円で食べられます。1,000円で利用できるレストランとなると、もう庶民のお店ですよね。

この店のオーナーシェフが、サイトに貧乏人お断りなどというメッセージを載せていたわけです。もう、自分の店の常連客を馬鹿にしているようなものですよね。私には全く理解が出来ません。

もしかしたら、貧乏人云々のコピーは、店の客の目に触れないとでも思ったのかなあ。

高額所得者の舌が肥えていると言う発想も貧困

そもそも、貧乏人が味覚音痴で金持ちが味にうるさいという発想も、かなり貧困ですよね。お金が無くても食事にこだわる人はいますし、金額でしか価値をはかれない成金の金持ちもいるでしょう。

本音でこんなふうに思っているのかどうかは分かりませんが、かなり間抜けな発言です。特に間抜けだと思うのが、上にも書きましたが、年収2,000万円も無いレストランの常連客をディスっているだけです。

金持ちの心は動かないでしょう

さらに悪いことに、こういうメッセージを前面に対したところで、いわゆるお金持ちの心が動くとは思えません。下品な感じがすれば、敬遠する人も多いですよね。

それに、金持ちならホイホイと高級食品を買うと言う発想も、あまりに単純すぎます。貧乏人を排除した金持ち向けの商品と言うだけでは、食にある人の心は動かせないでしょう。むしろ、商品の質に対するアピールをして価格が高い理由を語ったほうが効果的だと思います。

この店は持ちこたえられるのか?

率直に言って、このニュースはかなりイメージ悪いと思うんですよね。今まで普通に通っていた客も、ちょっと躊躇するでしょう。人のことを見下すようなオーナーシェフがいるレストランに入るだけで、後ろ指を指されそうですから。

どの程度このレストランが持つのか、あるいは、今後の経営努力で今回の失敗を克服できるのか、非常に興味があります。

ちなみに、サイトに載っていた挑発的なキャッチコピーは、既に変更されているようです。さすがに問題だと気づいたのか、批判が強くて心が折れたのかは分かりませんが。

追記①:2015年1月20日

炎上騒ぎから1か月少々経ちました。その後のこの店について少し追記しておきましょう。

まず、騒動が起きたことで確実に悪影響があったようです。Yahoo!で「カリフォルニア料理 KAWAZOE」で検索すると、3番目に「熊本のレストランKAWAZOEが年収2000万円未満は味音痴、店のサイト …」というページが現れるのです。事件の経緯をまとめたページですね。

実は、検索結果の上位に出るのは、このワードだけではありません。例えば「カリフォルニア料理 熊本」で検索しても上位にご紹介したページが現れるようです。

検索の順位はいずれ変動するでしょう。それによって、事件も風化するかもしれません。ただ、しばらくは、検索結果の上位にネガティブな情報が来るという状況は続きそうです。

まあ、自業自得でしょうけどね。商売をしていく上で精神的にシンドイのではないでしょうか。

追記②:2015年1月20日

もう一つ気にになるのが、未だにローストビーフを売っているということです。少なくとも商品情報が残っています。ショッピングカートなどもあるので、購入できそうです。

ウェブサイトには「数量は30kg限定(12月末まで)でご提供」とあるのですけどね。商品情報が残っているってどういうことなのでしょうか。単純に売れ残っているということなのかなあ。

でも、だとしたら、販売終了時期の告知が嘘だったということなのかしら。ちょっと良く分かりません。

なんにしても、ネットでの対応を誤ると怖いですね。こんなふうに追跡調査されてしまう可能性も有りますから。


  1. 「年収2000万円未満お断り」のローストビーフ シェフが「日本一高い」理由を激白!(J-CASTニュース)2014年12月12日 []

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