ビジネスをしていると思い入れがある商品って必ずありますよね。そういった商品は、頑張って売ろうと思うものです。
でも、思い入れがある商品が必ず売れるわけでは無いようです。意外なところでそんな例を見つけました。
「カリオストロの城」視聴率が14%越え
先日放送された「ルパン三世 カリオストロの城」が14.5%という視聴率だったのだそうです。私が子供の頃から何度も放送されているアニメ映画1 です。記事によると14回目なのだとか。2
最近だと、ゴールデンタイムの連ドラでも10%を越えないケースも多いようです。と考えると、再三放送されている再放送のコンテンツがこれだけの視聴率というのは、すごいことですよね。
もう、真面目にドラマを作っている人からしたら、たまったものでは無いでしょう。散々使い古されたコンテンツに歯が立たないのですから。逆に言うと、それだけ評価が高いコンテンツという言い方も出来ますけど。3
原作者は否定的
世間での評価が高いカリオストロの城ですが、原作者のモンキー・パンチはこの作品に対して否定的な感覚もあるようです。インタビュー記事の書きおこしらしきものを見つけたので、ちょっと引用してみましょう。
物語の面白さもそうですが、その凄さは、僕とは違う『ルパン三世』を出した感じがします。僕の原作の場合は毒があって、女性に対する優しさはあるけれども、ああいう優しさはないんですね。わりとクール。それに対して宮崎さんは宮崎さん流のルパンを出した。ただ問題は「カリオストロの城」以後、作る人がみんな宮崎さんに引っ張られている。だからルパンが優しく優しくなって、女の子が倒れたら手を貸して起こしてあげるようなルパンばかりで、もういい加減にしてくれと言いたくなる。
公に向けたインタビューなので、やわらかい表現を使っていた感じはあります。ただ、最後の方に「もういい加減にしてくれ」なんて本音を覗かせている感じです。
さらに次のような発言もあります。
違いを出そうというよりも、僕が原作で考えたそのままのルパンを出したい。絵コンテを見ても、本当にルパンが優しいんだよね。もういいかげんやんなっちゃうの。だからね、今回は絵コンテマンと喧嘩状態でしたよ。
カリオストロの城で付いたルパンのイメージに辟易としているという文脈です。モンキー・パンチの中では、やっぱり「カリオストロの城」は別物だという認識があるのでしょう。
原作者の思い入れのある作品以外がヒットした
ルパン三世の最大のヒットは、やはり、カリオストロの城でしょう。その意味では、原作者の思い入れがある作品がヒットしたわけではありません。
生みの親がいいと思っているものが、必ずしも世間に評価されるわけでは無いわけですね。作った本人としては、複雑な感情はあるでしょう。
商売ということに立ち戻れば、思い入れがある商品と売れる商品は区別して考えないといけないということでしょう。でも、思い入れに固執しすぎてうまく行かない人は、実際には多そうです。
- Yahoo!映画によると、1979年の作品のようですね。 [↩]
- 「ルパン三世 カリオストロの城」14・5%!根強い人気(スポニチアネックス)2015年1月19日 [↩]
- 大晦日にワンピースの映画の再放送を流して惨敗したフジテレビの関係者もどう思っているのでしょう。 [↩]
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