目先の利益のために、サービスの質を下げることがあります。つい最近、そんな実例に気づきました。
これって、賢明な選択なのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。具体的には、Yahoo!ニュースについてです。
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Yahoo!ニュースが最近おかしくなっている
最近はYahoo!ニュースなどを使って、最新のニュースをチェックする人も多いでしょう。マスコミもそのことは承知していて、Yahoo!ニュースでクリックされやすいような記事を書く傾向が出てきているのだとか。
この流れ自体は特に不思議なことでは無いでしょう。一つのところでまとめてニュースがチェックできれば、そんな楽な話は無いですよね。
ただそれは、Yahoo!ニュースに良い情報が集まっている場合に限った話です。読む価値が無いニュースが増えすぎると、Yahoo!ニュースのサイトとしての価値が落ちてくるはずです。そして実際、最近のYahoo!の運営の方針がちょっとおかしくなっているように思えます。
ニュースの質が落ちてきている
Yahoo!ニュースは、自分からニュースを発信しているわけではありません。他社が配信するニュースをそのまま掲載しているだけです。
Yahoo!としては、数多くのニュースを配信したいので、様々なところが配信するニュースを掲載しています。最初は主要メディアに限っていたようですが、最近は、信頼性があまり無いと思えるところのニュースまで流しているようですね。
ニュースの数が増えれば、ページビューも増えるのでしょう。このこと自体はYahoo!にとって短期的にはプラスに働くはずです。
しかし、このまま行くと、ニュースサイトとしての信頼性に影響が出てくると思うのです。そのくらいおかしなニュースが増えてきました。
あきらかな言葉の誤用しているニュース
一つ実例を使ってご紹介しましょう。
先日、Yahoo!ニュースのトップページを開くと「家計が苦しい原因!早く見直さないとヤバイ『無駄な固定費』4つ」という記事へのリンクがありました。これをクリックすると、Yahoo!が運営するネタりかというサイトに飛ばされました。
当然ですが、そこに「家計が苦しい原因!早く見直さないとヤバイ『無駄な固定費』4つ」という記事がありました。It Mama というところの記事でした。
でも、この記事の内容が酷いものだったのです。「無駄な固定費」と書きつつ食費や交際費を挙げているのです。これらはどう考えても、固定費では無いんですよね。
ちなみに、固定費は辞書では次のように定義されています。
こてい‐ひ【固定費】
一定の生産能力のもとで、操業度の変動にかかわりなく一定期間における総額が変化しない原価要素。減価償却費・賃借料・管理者給料・火災保険料など。不変費。→変動費(デジタル大辞泉)
この定義から分かるように、固定費というのは工業製品を生産するときの会計的な用語です。ですから、そもそも食費や交際費を固定費とか変動費で語るのが間違っているのです。
比喩的な意味で固定費という用語を使ったとしても、やっぱりかなり無理がありあす。なぜなら、食費や交際費は使う人の意思であるていどコントロールできるからです。
こういった支出は、むしろ変動費に近いと言うべきでしょう。ちなみに、家計の中で固定費的なものは、住宅の家賃や駐車場代、生命保険などでしょうか。
なんにしても、記事のタイトルにするような用語の使い方を完全に間違っています。かなり酷い記事です。
ちなみに、この記事の中には、見直すべき固定費の1位が2つ出てきます。「日々の食費・飲料費」と「ムダな会話やメールのもととなる携帯電話代」です。この程度のチェックができていないというのも、かなり問題です。
記述している内容も目新しいものではなく、記事としての質は最低レベルといってもいいようなものでした。厳しい表現ですが、個人のブログ以下という印象です。
ネトウヨさんを刺激するための信憑性が低い海外のニュース
この他にも、アジア発のニュースでおかしなものが多いようですね。韓国や中国の記事で、日本に対して批判を行っている記事が多く紹介されている印象です。
こうした記事は特に人気があるようで、ランキングの上位で見かけることが多いです。おそらく、いわゆるネトウヨの人たちが反応しているのでしょう。
ネット用語で言うと、「ネトウヨがYahoo!ニュースに釣られている」わけです。まあ、ネトウヨの方々の需要を満たしているという意味では、お互いにとってメリットがあるのかもしれませんけど。
なんにしても、これらの記事には信憑性が低いものが多いです。例えば、中国や韓国のネットでの評判を紹介するとして、一部の過激な意見だけを紹介しているようなものも多いのです。ネトウヨの方々を煽るような目的だけで書かれていて、ニュースとしての価値には疑問があるわけですね。
こういう記事がサイトの目立つところにあるので、本来読むような記事を見落としてしまう危険性もあります。
長期的に見るとよくない傾向だと思う
こうした質の悪いニュースを掲載することも、短期的にはメリットがあるのでしょう。記事の数を増やすことで、売り上げが上がるでしょうから。しかも、挑発的な記事を増やすと、反応する層が一定数いますし。
しかし、長期的に見ると、Yahoo!ニュースというブランドの価値を毀損する自殺行為であるように思います。まあ、Yahoo!のことを心配する義理もありませんから、どうなるかは知ったこっちゃ無いんですけどね。
ただ、起きている現象としては興味があります。現在の方針でこのまま行った場合、Yahoo!ニュースがどうなるかは、気になりますよね。
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