規模の小さい食品系の企業はちょっとしたことで簡単に行き詰まることも

小さな資本での起業を考えたときに、食品を取り扱う仕事を思い浮かべる人も多いでしょう。飲食店や弁当屋の類なら、個人の預貯金だけで出店できる可能性も大きいです。パン屋などもそうですね。そして、これらよりも多少資本は要りますが、食品の加工業も比較的小資本で参入できるものが多いでしょう。

食品を扱う店はリスクが大きい

その一方で、食品を扱うにはリスクが大きいのも事実です。

例えば、小さなレストランが食中毒を一回でも起こせば死活問題でしょう。営業停止も痛いでしょうが、悪評を呼ぶと客足にも影響します。

最近は、異物混入問題で数ヶ月間にわたり操業停止をした企業もあります。ペヤングの例が代表的ですね。小さな企業のようなので、再開後の売り上げ次第では、倒産する可能性も十分にありえるでしょう。財務諸表を見たわけでは無いので、詳しい部分は分かりませんけどね。

そしてもう一つ例を挙げると、スーパーやデパートに納入する商品に問題があるようなケースもあります。問題がある商品を納品すると、納入先のスーパーやデパートとの取引が停止される可能性も大きいですね。程度問題だとは思いますが。小さな企業なら、取引先のスーパーやデーパートとの関係が切れるのは死活問題のはずです。

食品系で企業をするなら、こうしたリスクがあることは、十分に理解しないといけません。

生肉を恵方巻きに入れるってどういうこと?

デパートなどに納入する商品に問題があったケースを一つ紹介しましょう。三越で販売する恵方巻きに、生肉が入っていたということがあったのだそうです。名古屋の店舗で起きていたようですね。1

ちなみに、恵方巻きを製造した食品会社は、冷凍の生肉を揚げてあるものだと勘違いして入れたのだそうです。昨年までは揚げた後に冷凍していた肉を納入していたために同じ工程で製造し間違ったのだとか。

いとう食品は毎年、恵方巻きの具材用に、揚げた後に冷凍したトンカツを業者から仕入れていたが、今年は揚げていない状態で衣をつけた冷凍肉を入荷した。しかし、昨年までと同じ調理方法で、解凍後にみそを塗っただけで販売してしまったという。2

衣が付いた状態で冷凍してあれば、確かに生肉と揚げてある肉の区別は付きにくいのかもしれません。最初、記事のタイトルを読んだときには驚きましたが、ありえない話ではなさそうです。

ただ、製造前や納品前に確認しなかったのは不思議ですけどね。年1回の商品なのですから、味の最終確認は絶対に必要だと思うのですけど。味にこだわりが無い会社なのでしょうか。食品会社なのにねえ。

なんにしても、三越はこの会社との取引を停止するでしょうね。企業の規模や三越との関係性にもよりますが、この食品会社にとってはかなりの痛手になる可能性もありそうです。


  1. 豚肉、生のまま提供=とんかつ揚げず、恵方巻きに―名古屋三越
    時事通信 2015年2月4日 []
  2. <恵方巻き>生豚肉のまま販売 名古屋三越栄店
    毎日新聞 2015年2月4日 []

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