売り上げの大部分は、一部の人気商品の貢献によるものである| パレートの法則って何だ?20対80の法則と違うのか?

個人事業主にしろ中小企業の企業経営者にしろ、ビジネスをする人ならぜひ知っておきたいルールがあります。パレートの法則というものです。このルールを知っているだけで、物事を判断するときの助けになることが多いです。

パレートの法則とは

まず、パレートの法則とは何なのかを確認しておきましょう。ウィキペディアでは、以下のように定義されています。

パレートの法則(パレートのほうそく)とは、経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説。

こんな例を考えると分かりやすいでしょう

この説明だとちょっと分かりづらいですね。一つ具体的な例を挙げてみましょう。

ある商店で100種類の商品を扱っていたとします。しかし、この100種類がどれも同じように売れるわけではありません。おそらく、全体の売り上げの売り上げの8割は、20種類前後の商品の売り上げで占められているでしょう。こういう傾向が一般的に見られることを、パレートの法則と言うのです。

この法則を知っていれば、さまざまな施策が思いつきます。

例えば、売れている20種類の商品の販売を強化することも出来ます。目立つところに陳列したり、ポップを作ったりすれば良いでしょう。そうすると、もともと売れやすかった商品がされに売れる可能性があるわけです。

あるいは、売れている商品と抱き合わせで違う商品を販売することを考えてもいいかもしれません。何か別の商品を売れ筋の商品とセットで買うと、少し割り引くと言うようなことをすれば良いでしょう。こうすることで、客単価をあげることが出来るかもしれません。

工夫次第では色々な応用がきく、なかなか便利なルールです。

20対80の法則と呼ばれる事も

ちなみに、パレートの法則は20対80の法則と呼ばれる事もあります。ウィキペディアを信じるならこの2つは、本来は別のものらしいです。ただ実際には、混同して使われていることが多いようです。ですから、同じものだと思っておいたほうが便利でしょう。

ちなみにウィキペディアでは「80:20の法則、ばらつきの法則などと呼ばれることもあるが、本来は別のものである」と説明されています。その一方で、グロービスのMBA経営辞書には「20対80の法則、ニハチの法則ともいう」と書かれています。

つまり、ウィキペディアでは違うものだと言い、グロービスでは単なる別名だとしているわけです。はっきり言って、混乱しますよね。

雑誌サイトの記事から実例を見てみましょう

パレートの法則と言う言葉は、ビジネス誌などでも時々使われます。例えばプレジデントでは次のような使われ方をしています。

ガス、電力ともに稼ぎ頭は小口の家庭向けで、「パレートの法則が当てはまる」というのが関係者の共通認識。つまり、大口の産業用は販売量の8割を占めるが、自由化による競争激化で採算が厳しく、残り2割の小口で利益の8割を稼いでいるのだ。東電のガス事業の営業収益1207億5300万円に対して、営業利益が3億7000万円に過ぎないのも大口向けだから。1

売り上げの2割に過ぎない一般家庭向けなどの小口販売が、利益の大部分を占めるということですね。実は工場などに向けたエネルギーの販売は、価格競争が厳しくて、ほとんど利益が上がらないということです。


  1. ガス自由化で混沌、「エネルギー覇権」争奪戦【1】
    プレジデント 2014年11月18日 []

スポンサードリンク

スポンサードリンク



関連した記事を読む

コメントは受け付けていません。