衝撃的なニュースに引きずられすぎないようにしましょうね| 印象の強い一部が、全体像をゆがめる事も多いです

インパクトがあるニュースがあると、私たちの判断はそのニュースに強く影響されてしまうことがあります。一つの印象的な事例のせいで、私たちの判断力が狂ってしまうことがあるのです。

ですから、私たちは、こうしたニュースをできるだけ客観的に捉えるように意識しておかないといけません。その一方で、ニュースが消費者に与える影響を考えてみる事も重要でしょう。

都会の真ん中での殺人事件

例えば、2015年の2月14日に東京都世田谷区のビルの中で、若い女性が変死しているという事件がありました。警察は殺人の可能性が高いと見て、捜査をしているようです。1

土地勘の無い人のために簡単に説明しておくと、経堂というのは住宅街にある駅だと思っていただいて良いでしょう。都内でも比較的家賃相場が高い地域です。客観的に見て、それほど治安が悪い地域では無いと考えるのが自然でしょう。

こんな事件があると、必ず出てくる意見は、「もう日本も安全ではない」というエキセントリックなものです。実際、Yahoo!ニュースのコメント欄の一番上にあったコメントは、次のようなものです。

日本は安全ではない・・・と、思う事が、、
最近、、、多くなったな。

そして、ワイドショーなどがこのニュースを取り上げるとしたら、「もはや安全ではない日本」と言うような言い回しで煽るのでしょう。極端な言い方をしないと、文字通りのショーにはなりませんからね。

日本の治安が悪くなったという印象に影響されていはいけない

でも、本当に日本の治安が悪くなったのかというと、全くそんなことはありません。

例えば、法務省のサイト内にある「法務総合研究所研究部報告50 無差別殺傷事犯に関する研究」というドキュメント2 には、昭和21年からの殺人事件の認知件数の推移が載っています。そのグラフを見ると、ここ数年の殺人事件の認知件数は、ピーク時の3分の1程度なのです。

グラフのハードコピーを示すと、次のような感じです。

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マスコミは一部を切り取って大きく見せるのが得意

煽るのが大好きなマスコミの人たちも、このグラフを見たら何も言えないでしょう。少なくとも凶悪犯罪に対してという意味なら、日本の治安は確実に良くなっているのです。マスコミの言葉を信じていると、確実に判断を誤る事になりますよね。

こういったインパクトがある報道を見て判断していると、判断を誤る事も多くなるわけです。一度冷静になり、本当に印象通りのことが起きているのかをチェックしてみることが大事でしょう。

マスコミ、特にテレビと言うのは、一部だけを切り取ってそれが全体であるかのように見せるのが得意なようです。インパクトがある映像だけを見せて、全体がそうであるかのような印象を与えるわけですね。

ですから、私たちも、そういうものだと認識した上で付き合っていくことが大事でしょう。マスコミの報道に影響されて、客観的な判断ができなくなるのは最悪です。


  1. 若い女性がビル内で変死、殺人などで捜査 東京・世田谷
    産経新聞 2015年2月14日 []
  2. 法務総合研究所研究部報告50 []

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