先日竹書房の漫画雑誌が、懸賞の当選人数を捏造しているという事件が発覚しました。その件に関して色々と調べていたのですが、その途中に興味深いデータを見つけました。どんなデータかというと、週刊少年サンデーの部数が少年週刊マガジンの部数の3分の1程度しかないというものです。
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ジャンプやマガジンと並べて語ってはいけないレベル
日本雑誌協会というところの2014年10月から12月のデータによると、1号あたりの平均部数は以下のようなものでした。1
- 週刊少年ジャンプ:2,605,000部
- 週刊少年マガジン:1,192,267部
- 週刊少年サンデー:411,250部
週刊少年サンデーが厳しい状況にあるというのは、何かで読んだ記憶はありました。ただ、ここまでとは思いませんでした。その昔はサンデーとマガジンはライバル関係だったはずなんですけどね。
ちなみに、全盛期と比べてどの程度部数が落ちたのかも調べてみました。ウィキペディアの情報を信じると、一番発行部数が多かったのは1983年で、このときの部数は228万部だったということです。今の週刊少年ジャンプと同じ水準の部数があったわけです。かなりすごい数字ですね。
このデータから分かるように、30年ちょっとの時間を掛けて、週刊少年サンデーは部数を5分の1以下にまで落としてきたのです。現在の41万部というのも、雑誌としてみればそこそこの数字ではありますが、過去との比較で見ると凋落の一言しか浮かびません。
もちろん、少子化の影響もあるのでしょうけどね。それでも、少子化だけでは5分の1以下になった理由は説明できないでしょう。それに、週刊少年ジャンプや週刊少年マガジンはそこまで部数を落としていません。ということは、やっぱりマーケティング的に失敗したということなのでしょうね。
迷走しているのは確実なようです
少年漫画の事情には詳しくないので、週刊少年サンデーがどんな状況なのかは良く分かりません。ただ、迷走しているのは間違い無さそうです。その象徴が、2014年の55本の新連載スタートという企画でしょう。
この企画は創刊55周年を記念したものらしいのですが、いくらなんでも無茶苦茶ですよね。1年は52週ちょっとですから、1年でやろうと思うと、毎週新しい連載をスタートしても間に合いません。ウェブなども使った企画という事ですが、それを考慮しても、迷走しているという印象を持ちますよね。しかも連載という事は、短くても数週程度は作品を掲載する必要があるという事です。となると、なん作品並行して出していくのでしょうか。
ウェブを使えば媒体の確保は可能なのかもしれません。作家の質を確保できるのかという問題もありますよね。55人も集めて質を維持するのは、大変な事でしょう。作家の数だけでなく編集者の数も足りないでしょう。編集者が足りないとなると、質を維持するためのチェック体制も気になるところです。
まあ、試行錯誤と呼べない事も無いですけどね。外から見ていると、やっぱり迷走に見えます。
週刊少年チャンピオンと大差が無くなってきたかも
週刊少年サンデーの次の週刊の漫画誌というと、週刊少年チャンピオンでしょうか。ウィキペディアで調べてみたところ、チャンピオンの部数が26万部程度という事でした。週刊少年サンデーと比べると2倍も差がありません。かなり近づいてきているようですね。このまま行くと、逆転もあるのかもしれません。
週刊少年ジャンプ、週刊少年マガジン、週刊少年サンデー、週刊少年チャンピオンの4つで、4大少年誌と呼ばれることがあるようです。でも、上位の2つと下位の2つでは、部数において天と地ほどの差があります。ジャンプとチャンピオンでは10倍違います。同じラインで比べるのはちょっと無理がありますよね。
まあ、部数が少なくなったと言っても、サンデーは40万部台の部数があります。すぐに淘汰されてしまうようなことは無いでしょう。しかし、このままのペースで減り続けるとまずいのかも。
追記:週刊少年サンデーが40万部を割り込む
週刊少年サンデーの印刷部数が、ついに40万部を下回ったのだそうです。平均で39万3417部だったようですね。2015年1月~3月の数字です。2
ちなみに記事によると、週刊少年ジャンプと週刊少年マガジンの部数は、以下の数字だそうですね。
- 週刊少年ジャンプ:242万2500部
- 「週刊少年マガジン:115万6059部
あいかわらず、他誌から圧倒的に引き離されているのがよく分かります。
状況がさらによくないと思うのが、減り方のペースです。前年同期と比べると、週刊少年ジャンプが約11%減、週刊少年マガジンが約10%減だったのに対して、週刊少年サンデーは約15%も減っているのです。
もともと数が少ないほうが、減少のペースが速いのです。これって、状況としては、かなりやばいと考えて良いですよね。
参考:全ての雑誌の中での位置づけ
日本雑誌協会のデータベースに入っている雑誌で作った印刷部数のランキングをネット上で見つけました。2012年の4月から6月の統計のようですね。
週刊少年ジャンプは全ての雑誌の中で、ダントツのトップなのだそうです。そして、第2位が週刊少年マガジンです。これも、3位以下を大きく引き離しての2位のようです。
週刊少年サンデーは、大きく引き離されて第15位という事です。かなり格が落ちる印象は拭えません。
ちなみに、上位には漫画雑誌が多く、「月刊少年マガジン」「コロコロコミック」「ビッグコミックオリジナル」「ヤングマガジン」「週刊ヤングジャンプ」「ちゃお」などが週刊少年サンデーより多い部数でした。週刊少年サンデーという雑誌は、「ネームバリューがある割には」という感じの雑誌なのです。漫画雑誌の中では、中堅クラスというイメージなのですね。
また週刊少年サンデーは、「週刊文春」「月刊ザテレビジョン」「週刊新潮」などの雑誌にも負けています。
さらにもう一つ挙げると、週刊少年サンデーは「家の光」という雑誌にも負けているようですね。率直に言って、上位20誌の中で、この雑誌だけは知りませんでした。私だけでなく、ご存知無い方も多いでしょう。
名前から受ける印象からして、ちょっと胡散臭い雑誌なのかと感じる人も多いでしょう。しかし、どうやらそういう事でもないようです。JA系の出版社が出している雑誌のようです。「光」なんて書かれると、宗教系かなあと思ってしまいますよね。
この雑誌について、よく知られていないのは当然で、一般書店での取り扱いは無いようです。一般書店での取り扱いが無いのに、週刊少年サンデーよりも売れている分けです。農協恐るべしと思わずにはいられません。おそらく農家の人は、半ば強制的に買わされているのでしょうね。
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