個人事業主は仕事中の大ケガや仕事が原因の病気に対する補償が無い

全ての労働者は、原則として、労災保険に入ることになります。ちなみに、労災保険は事業所単位で入り、そこで働く全ての労働者が補償されるという保険です。

しかし個人事業主は、労働者ではありません。人にお金を払って雇われていないという意味で、労働者とは認められないのです。少なくとも、労災保険の仕組みの範囲では。

ですから、原則としては、個人事業主の事業所が労災保険に入ったとしても、労災保険では守られないのです。守られるのは、雇っている従業員だけです。

労災保険は、名前から分かるように、仕事や通勤に起因する病気やケガしか補償されません。しかし、康保険や国民健康保険と比べて、かなり手厚い保険です。これに入れないデメリットは、かなり大きいと思って良さそうです。特に、危険がともなう仕事では、大きなデメリットです。

一部の仕事では個人事業主が労災保険に入ることも出来る

ちなみに、個人事業主が労災保険に入ることが出来る方法が全く無いわけではありません。特別加入と言う仕組みがあり、個人事業主が申し出ることで労災保険に入れるのです。

とは言え、一人親方として特別加入できるのは、一部の業種に限られます。具体的には、タクシーの運転手や運送業者や建築・土木の仕事をする人などです。

このほかにも、いくつかの業種で一人親方として労災保険に入ることが出来ます。

一ついえるのは、ある程度危ない仕事でないと、特別加入は認められないということですね。こういった仕事をする人以外は、仕事中の事故へのリスクを減らすことが出来ないことになります。

補足:車を使った仕事のうち一人親方として認められるものは?

上で、タクシーの運転手や運送業者などの車を使った仕事は、一人親方になれる可能性があることを書きました。じつは、これにはもっと具体的な規定があります。厚労省が作ったパンフレットから引用してみましょう。

自動車を使用して行う旅客または貨物の運送の事業一覧表

ア 道路運送法(昭和26年法律第183号)第4条の一般旅客自動車運送事業の許可を受けた

イ 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第3条の一般貨物自動車運送事業の許
可を受けた者
ウ 事業の実態が運送の事業に該当し、土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防
止等に関する特別措置法(昭和42年法律第131号)の適用を受ける者
エ 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第36条の貨物軽自動車運送事業の届出
を行った者
オ 自ら保有する二輪の自動車を、バイク便事業者※に持ち込んで、当該バイク便事業者に
専属して貨物を運送する者であって、道路運送法(昭和26年法律第183号)第78条第3項
の有償運送の許可を受けた者
 ※エのうち、二輪の自動車を使用する貨物軽自動車運送事業を行う者をいう。
カ 原動機付自転車を使用して行う貨物運送事業(他人の需要に応じて、有償で、貨物を
運送する事業)を行う者

これを見ると分かるように、車を使って仕事をしていれば何でも良いということではありません。利用価値は大きい制度なので、自分が利用できるかしっかりチェックしてみましょう。

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