楽天市場のサイトにやらせの書き込みをした業者を、楽天が提訴したそうです。訴えられたのはディーシーエイトという会社で、本来はシステム開発の会社らしいですね。2億円の損害賠償をしています。1
ディーシーエイトに書き込みを依頼していたのは、楽天市場に出店しているショップということです。月8万円で150件のコメントをするという契約だったようです。
何でこんな書き込みを依頼したかというと、コメントが増たり評価が高いと、楽天市場内の表示される順位がよくなるという噂があったからです。もちろん、単純なさくらという意味もあるのでしょうけどね。
実際の流れとしては、まずディーシーエイトが商品を架空発注します。そして、その購入した商品に対するコメントを書き込むということをしていたようですね。複数のIDを使い分けていたようです。
ちなみに、この複数のIDが裏目に出たようです。同一のパソコンから短時間に複数のIDで楽天市場にログインがあったのが確認され発覚したのだとか。楽天市場としてはユーザー情報に関するDBを持っているわけですから、本気で調べたら見つからないわけは無いですよね。
ディーシーエイトはどの程度稼いでいた?
ディーシーエイトが書き込んだのは「少なくとも約11万4千件」ということです。150件に対して8万円であることを考えると、6,080万円という事ですね。結構大きな額です。ただ、楽天の賠償請求は2億円なので、裁判に負けると大赤字という事になります。
当然のことながら、小さなシステム会社です。裁判で負けたら倒産という確率が高いでしょうから、必死で戦ってくることでしょう。
こんな会社の肩を持つ気は全くありませんが、従業員がいるとすればちょっとかわいそうですね。
150件で8万円は適正な価格なのか?
ところで、150件で8万円の報酬というのは、適正な価格なのでしょうか。1件のコメントにつき、約500円という事ですよね。結構良い値段です。
ということは、アルバイトでも雇って1時間に10件もコメントさせたら、5,000円の売り上げです。時給を1,000円払ったとして4,000円の儲けという事になります。こう考えると、やっぱりちょっと割高という感じはしますね。
まあ、実際に出店している側が同じことをやろうとすると、結構な手間がかかります。複数のIDを取ったり、コメントを考えたりと、何かと時間がかかりそうです。そうであるのなら、外注で任せてしまったほうが安上がりという判断なのかもしれません。システム化されてしまえば、それほど難しいことでは無いでしょうし。
一番損をしたのは書き込みを依頼したショップ
ちなみに、今回の件で一番損をしたのは、楽天市場に出店しているショップでしょう。楽天側から契約の解除を言い渡されているところもあるようです。
販売チャンネルが一つなくなるというのは、かなりの痛手でしょうね。特に楽天専業でやっていたところは、死活問題といえるのでは無いでしょうか。
もちろん、ネットのショッピングモールは楽天だけではありまえん。ですから、他社のサービスを使って再開することは可能でしょうけどね。ただ、今まで乗りソースを使いまわすわけにも行かないでしょうし、いきなり以前と同じような売り上げがあるわけでもないでしょう。なかなか苦難の道なのではないかと思います。
もちろん、今回の件でショップ側は、不正と知りつつコメントの書き込みを依頼したはずです。ですから同情する余地はありませんけどね。同情というよりは、何でこんなリスクを取ったんだろうという疑問の方が大きいです。
まさか契約解除までは無いだろうとたかをくくっていたのかしら。深刻な契約違反だという意識は、あまり無かったのかもしれません。だとしたら、認識が甘いですよね。楽天はこうした不正に関しては、結構強硬な手段をとる印象があります。
あるいは追い詰められて、最後の手段という感じで不正に手を出してしまったかです。多分、軽い気持ちで手を出した人が多そうですけど。
- 「楽天市場」で11万件やらせ投稿 表示順位を操作? 請負業者を提訴
産経新聞 2015年3月21日 [↩]
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