ギャンブルで勝った1万円は1日バイトして稼いだ1万円よりも軽い| ギャンブルで勝った人にお金を使わせるのはどうだろう?

日本の競馬のレースの中で一番有名なのは、有馬記念でしょうか。普段は競馬にそれほど興味が無い人でも、馬券を買ってみようと思うレースです。

仮に、普段競馬に興味が無いあなたが、友達に誘われてある年の有馬記念の馬券を買ったとしましょう。その結果見事的中し、1万円のプラスだったとします。

さて、この1万円であなたは何をしますか?

ギャンブルで得たお金の場合、すぐに使ってしまうという選択をする人も多いのでは無いでしょうか。友達と一緒に馬券を買ったのならなおさらです。その日の夕食をおごらされて、1円も残らない可能性も大きいですよね。

宵越しの金は持たないではありませんが、ギャンブルで稼いだお金というのは、パーッと使ってしまうことが多いようです。

同じ1万円でも使いづらい1万円もある

ギャンブルで得たお金を簡単に使ってしまうというのは、例えば、「丸1日アルバイトをして稼いだ1万円」と比べるとよく分かるはずです。

1日働いて稼いだ1万円は、そう簡単には使えませんよね。少なくとも、稼いだその日にパーッと使うなんてことは無いはずです。

もちろん、欲しいものがあってバイトをしたのなら、その日のうちに使ってしまうことだってあるでしょう。でも、競馬で勝った1万円とは意味合いが全然違います。無計画な浪費ではありませんから。

これが、「東京に上京するときに祖母から渡された餞別の1万円」となると、さらに使いづらいですよね。簡単に飲食で使ってしまうなんて、絶対にできないでしょう。何年も使わずに大事にしているという人だって、少なからずいるはずです。

行動経済学では心の会計として説明される

でも冷静に考えてみると、ギャンブルで買った1万円もアルバイトで稼いだ1万円も同じ1万円です。でも、どうやって手に入れたものかで、簡単に使える場合と使いづらい場合があるわけです。考えてみると、ちょっと不思議なことですよね。

実はこの現象は、行動経済学の「心の会計」という考え方で説明ができます。

心の会計というのは、ちょっと正確ではありませんが比喩的な表現を使うと、「お金が入った時に心の中の封筒に分けて入れる人間の傾向」の事をいいます。入ってきたお金に対して、生活費とか遊興費とか自由に使えるお金というように頭の中で仕分けるのです。

競馬で稼いだお金というのは、例えば、自由に使えるお金に入れられるのでしょうね。ですから、気前良く友達におごっても、もったいないとは感じないわけです。

こうやって心の中でお金を分類する結果、同じ1万円でも使いづらい場合と使いやすい場合が出てくるのです。この事実は覚えておいて損は無いでしょう。

無駄遣い防止に利用できる

こうした心の傾向があることを知っておくと、貯蓄をしたい人には非常に役に立つはずです。予期せぬ収入があったときに、心の会計の存在を思い出すだけで、無駄遣いは減らせるでしょう。

例えば、ギャンブルで1万円勝ったとします。その直後に、何となくよさそうな洋服があったとしましょう。予期せぬ収入があったことですし、いかにも無駄遣いをしそうな状況ですよね。

そんな時に、「仕事をして同じ額を稼いだのなら、そういう使い方をするのか?」と自分に問いかけてみるのです。そうするだけで、浪費を止める効果があることでしょう。衝動的に欲しくなったものなら、諦めることができるはずです。

予定外の収入を使わせる工夫をしたい

逆に商売をする側としては、予定外の収入があった人を見つけられれば、商売がしやすいことになります。普通に買い物をする人よりは、財布の紐が緩くなっている可能性が大きいからです。

問題は、不労所得があった人をどうやって見つけるかでしょう。一番手っ取り早いのが、競馬場などの近くに店を出すことですよね。ギャンブルの施設の近くなら、一定割合で買った人がいるはずです。その人向けの商品を考えることができます。出店の計画や採算性を考えると、あまりリアリティは無い方法ですけどね。

現実的には、ボーナスの時期を狙って、嗜好品やら旅行の広告を出すという方法があるでしょうか。月々の給料に比べると、ボーナスというのは自由に使うという人が多いはずです。財布の紐が緩くなっているところを狙うわけですね。

ボーナスの場合は完全に予定外とはいえません。でも、確実にもらえるものでもないので、月々の給与よりは財布の紐が緩くなりがちです。実際に、月々の給与は堅実に使い、ボーナスは自由に使うという人もいます。

あとは、子供のお年玉も狙い目かもしれませんね。玩具メーカーなどは、お年玉の時期に合わせて、商品開発をしているはずです。

こうやって考えてみると、色々と工夫の余地はありそうですね。

金額が大きくなると無駄遣いはしなくなる

ここまで書いてきたように、ギャンブルで稼いだお金などのいわゆる「あぶく銭」は無駄遣いしやすい傾向があります。ただ、これにはちょっと注意が必要です。

どんな注意点かというと、「金額が大きくなると無駄遣いしづらくなる」のです。例えば、宝くじで3万円あたった場合と50万円あたった場合では、3万円あたった場合の方が無駄遣いしやすいようです。

これを踏まえて考えると、この手の臨時収入に対して営業をする場合でも、あまり高いものは売りにくいと思ったほうが良いかもしれません。せいぜい数万円程度のものを売るつもりで、対策を立てたほうが良さそうですね。

少なくとも金額が大きくなると、その場のノリだけでは買ってくれにくくなります。

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