負担ゼロで顧客満足度を上げられる?| 例えば、イベントの順番を変えるだけでイベントの満足度が上がるかも

ピークエンドの法則というものをご存知でしょうか。

どんなものか簡単に言うと、「トータルの満足度というのは、一番満足した時の満足度と一番最後の満足度の平均で決まる」という説です。ピークとエンドの満足度で決まるので、ピークエンドの法則と言います。ちなみに英語だと、peak-end rule というそうです。

具体例を考えてみましょう

例えば食事をしたときに、一番最後まで好きなものを残す人っていますよね。これは、最後に好きなものを食べることで、満足度が上がることを経験的に知っているからなのかもしれません。ピークエンドの法則によれば、最後においしい物を食べられれば、食事の満足度は上がるはずなのです。

あるいは逆に、最後に食べたものがおいしくなかった時に、おなかがイッパイなのにもう一品食べてしまったりする事もありますよね。これも同じ理屈なのでしょう。

さらに言うと、最後に食べようと思って取っておいたおかずを人に食べられたりしたら、結構がっかりしますよね。これは最後の満足度が低かったために、食事全体の満足度も一気に下がったのだと考えてよさそうです。
ちなみに、ウィキペディアでは、次のような例が紹介されていました。

ある実験では、あるグループの人が大音量の不快な騒音にさらされた。2番目のグループは、1番目の人々と同じ大音量の不快な騒音にさらされたが、その最後に幾分ましな騒音が追加されていた。この2番目のグループのこの騒音聴取の体験の不快さの評価は、1番目のグループの人たちよりも低かった。最初の同一の騒音区間に加え、不快さを抑えた引き延ばされた区間があり、1番目のグループよりさらに不快であったはずであるにも関わらずである。

順番を弄るだけでイベントの満足度が上がる可能性も

このピークエンドの法則は、意外とビジネスでも応用ができるのかもしれません。

とは言え、一番満足したときの満足度をさらに上げるのは、ちょっと大変ですよね。もちろん不可能なことではありませんし、常に努力し続けるべきだとは思いますが、努力したところで報われるとは限りません。下手な努力をしたことで、逆にピーク時の満足度を下げる可能性すらあります。

ただ、一番最後の満足度を上げるのは、それほど難しくありません。ちょっと工夫をするだけで、簡単に満足度は上がるでしょう。

要するに、ピークエンドの法則をビジネス利用する場合は、「終わりよければ全てよし」だと思っておけば良いわけです。ピークエンドの法則というのは、このことわざが正しいことを裏付けているという言い方も出来るわけです。

順番を弄るだけでイベントの満足度が上がる可能性も

イベントの場合、盛り上がる企画を最後に持ってくれば良いわけですから、意外と簡単ですよね。

わかりやすいのは、コンサートの曲順でしょうか。この法則を使うのであれば、真ん中あたりと一番最後に人気の曲を持ってくれば言いわけです。実際、アンコールには定番の盛り上る曲を持ってきて、それでしめるというのは良く取られる手法ですよね。バラードでおわるコンサートなんて、特別な企画でもない限り、あまり無いでしょう。

パーティーのようなものでも、最後に楽しい企画で終わるというのは、満足度を上げるいい方法でしょう。前半のつまらないスピーチで下がった満足度を回復させる機能を果たしてくれるはずです。逆に、お偉いさんのしめのコメントが長引いたりすると、一気に満足度が下がってしまいます。

あるいは、つまらないB級映画でも、最後に盛り上るシーンを持ってくれば、意外とお客さんは満足してくれる可能性もあります。少なくとも、映画に対する印象は、大分違うでしょう。

小売などでも利用可能かも

ピークエンドの法則は、小売でも利用可能かもしれません。

例えば会計のところで、スピードくじを引かせるだけでも、満足度は上がる可能性があります。最後に缶ジュース一本でも当たれば、買い物全体の満足度が上がることが期待できるわけです。コンビニが良くやっている手法ですね。

あとは、ケンタッキーがやっているような、当たりつきのレシートを作ってみても良いかもしれません。これも、スピードくじと同じような目的でやっているはずです。

もっというと、会計時のおつりの渡し方一つで、大分印象が違うはずです。最近は大分減りましたが、ちょっと前までは、コンビニの店員で酷い対応をする人もいましたからね。ちょっと上から小銭を落とす人とか。

買い物という行為の最後にこういう事を行うと、買い物全体の満足度も一気に下がるのです。ですから、こういう対応をなくすだけでも、プラスになるはずです。

逆に、おつりや商品を渡すという行為が非常に丁寧な店もあります。例えば、カウンターから出てきて商品を渡すようなところもあります。デパートなどでは、こうした対応を取っているところもありますね。これは、最後の満足度を上げようとしていると考えられます。

まあ、数百円のお菓子を買っただけでこういう対応をされると、ちょっと過剰な気もしないではありませんけどね。それでも、悪い気はしないものです。

シンプルなルールなので利用はしやすい

工夫次第で他にも色々と考えられると思うので、ピークエンドの法則は時にはちょっと意識してみても良いのかもしれません。結局は、「終わりよければ全てよし」というのを意識して実践するだけですから。

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