ネットでビジネスをしている人が優先して考えることの一つが、いかにしてページビューを増やすかという点でしょう。ページビューというのは、簡単に言うと、サイトの閲覧数のことです。1
ページビューが大きいと、当然ですが、それだけ商品の販売にもつながります。あるいは、サイト内に広告を掲載しているところだと、ページビューに応じた広告料を取るようなところもあります。ネットでのビジネスにおいて、それだけ大事なものなのです。
ネットニュースもページビューを意識している
ページビューを意識しているのは、ニュースサイトも同じです。最近は、ページビューの事を意識して記事がかかれる事も多いようです。
記事を各段階で何故そこまで意識されるかというと、記事に対する報酬は記事の閲覧数に応じて決まることが多いからです。ニュースサイトに掲載される記事というのは、多くの場合は、新聞社や雑誌社などから買われているのですが、一本いくらではなくページビューに応じた価格になっているわけです。
つまり、人に見てもらえる記事を書かないと、売り上げとしても小さくなってしまうのです。ですから、ページビューを意識して記事を書いているわけですね。
もちろん、ページビューを意識すること自体はそれほど悪いことではありません。それに報酬云々は別にしても、人から読んでもらわないと、記事としては意味がありませんからね。
ページビューを優先しすぎておかしな事になっている
ただ、ページビューを稼ぐことを優先するあまり、おかしなことになっている記事も珍しくはありません。特に酷いのが、記事の内容とはかけ離れた印象的なタイトルをつけるという手法です。
読者の関心を引くために大げさなタイトルをつけ、ページビューを稼ごうとしているようなところも少なくないのです。いわゆる「釣りタイトル」というヤツですね。
例えば、2015年4月25日のBusiness Journal の記事に、「マック、衝撃的な若者客離れ!『誘われたら断る』『スタバに行く』『パンがペラペラ』2 という記事が出ていました。3
このタイトルを素直に読んだら、「誘われたら断る」という意見が多いような印象を受けますよね。しかし、実際の記事では、正反対のことが書かれているのです。引用してみましょう。
「友達に『マックに行こうか?』と誘われたら断る」など明確な拒絶反応を示す人もいたが、実は少数派。最も多かったのが、「以前は好きでよく食べていたけど、今はなんとなくイメージが悪くなって行ってない」といった声である。この「なんとなく」というのがポイントで、そこまで嫌悪感はないが、わざわざ行く理由も見当たらず、自然と足が遠のいてしまっているということではないだろうか。
これを読むと分かるように、「誘われたら断る」と答えている人は、実は少数派なのです。そうではなく、「なんとなくイメージが悪い」から行かないわけですね。
「なんとなくイメージが悪い」に比べれば、「誘われたら断る」という言い方は強い表現です。ページビューを意識して、本来の記事の内容とは違う表現をタイトルに入れたかったのでしょう。
誰を見て記事を配信している?
でも、これって、読者の信頼を裏切っているように思いませんか?率直に言って、私自身は、Business Journal のやり方にイラっとしました。こういった釣りタイトルの記事は何度か見ているので、Business Journal の記事はあまり信頼ができないという印象を持っています。
一般向けの週刊誌などの雑誌だと、端から内容を全部信じているわけではありません。こういった釣りタイトルも芸のうちなのかという感じもします。
しかし、仮にもBusiness Journal などという名前をつけているのですから、こんな下品な行為は避ける方が良いと思うのです。少なくとも、真面目なビジネスの記事を読みたい読者は離れていくでしょう。
そんなことになったら、本末転倒ですよね。一時的なメリットのために、長期的な信用を失うだけです。
もっとも、Business Journal 自体が書いているのは、最近は芸能系のゴシップ記事が多いようです。それなら、いっそのこと、名前を変えてしまえば良いのでは無いかとすら思いますが。「芸能ゴシップジャーナル」とかね。
まあ何にしても、酷い話です。サイトの信頼を失わないためにも、目先の利益のために出鱈目なタイトルをつけるのは避けることをおすすめします。
- ちなみに、ページビューはサイトへの訪問者数とは違います。なぜなら、1人が2ページを見たら、ページビューは2とカウントされるからです。つまり、ページビューというのは、閲覧されたページ数のことなのですね。訪問者数はユニークとかユニークビジターと呼ばれます。 [↩]
- マック、衝撃的な若者客離れ!「誘われたら断る」「スタバに行く」「パンがペラペラ」
Business Journal 2015年4月25日 [↩] - ちなみに、Business Journal は自分のサイトもありますが、Yahoo!ニュースにも記事を提供しています。 [↩]
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