東京メトロの売店がローソンになるようです。
現在、東京メトロの駅には、メトロスという売店があります。Google の画像検索で確認するとわかるのですが、キオスクのような売店のですね。これの一部である約50店が、2年から3年をかけてローソンになるようです。1
ちなみにメトロスという売店は、東京メトロの子会社である「メトロコマース」という会社が運営しています。現在は140店あり、その3分の1をローソンにするという計画のようです。また、残り90店もローソンになる可能性があるようです。先行する50店の状況次第なのでしょうね。
直営店やめて外部委託するメリットは何?
メトロスは東京メトロの子会社が運営しているということですから、東京メトロにとっては実質的な直営店だと言っていいでしょう。直営をわざわざやめて、外部委託をするメリットは何なのでしょうか。
それなりに軌道に乗った事業なら、直営店の方がメリットは大きいような気もしますよね。少なくとも、利益率は高いのでは無いかと想像します。何か上手く行っていないのでしょうか。
最初に紹介した記事によると、確かにメトロスはあまり上手く行っていないようです。
メトロスは、昨年4月の消費税増税の影響を受け、雑誌やたばこの販売が低迷している。ローソンへの変更で立て直しを急ぐ。
建て直しを急ぐなんていう表現を使っているところを見ると、確かにあまり上手く行っていないようですね。メトロコマースはローソンとフランチャイズ契約を結ぶそうですから、フランチャイズの手数料を払ってもローソンのノウハウを手に入れたいと思ったという感じなのでしょう。
駅の売店って、独占的に営業ができるので、儲かっているのではないかというイメージを持っていました。通勤ラッシュの時間帯には雑誌などが文字通り飛ぶように売れる光景も見られますし。
しかし実際には、意外と厳しい商売をしていたようです。
10平方メートルでコンビにって
今回のニュースで一番イメージが沸き辛かったのが、駅の売店をどうやってコンビニにするのかという点です。どう考えても、普通のコンビニにはできませんよね。広さ的に。
記事によると、「転換店の店舗面積は約10平方メートル」なのだそうです。10平方メートルと言うと3メートル×3メートルよりもちょっと大きいと言う感じですよね。あるいは6畳の部屋の広さが10平方メートル前後です。畳の大きさにもよりますが。
そう考えると、まさに売店一つ分のスペースと言う感じです。その広さで、どういう商売をするのでしょうか。通常のような店舗は無理でしょうから、やっぱり売店形式なのかな。
ちなみに取り扱う商品は意外と多く、約600品目を販売するのだそうです。その広さの店で、それだけの品数をディスプレイするって、かなり難しそうですね。工夫をすれば商品を置くことはできるのでしょうが、客に認識させるのは簡単ではなさそうです。
記事によると、主力商品はおにぎりやサンドイッチなどになりそうですね。こういった商品は、既存型の売店には置きにくかったはずなので、ローソンを入れる大きなメリットと言えそうですね。生産設備や流通網は既にあるので、導入は容易でしょうし。
さすがに普通のお弁当はおかないのかなあ。ちょっと興味があるところです。
ローソンにとってはおいしい商売でしょう
今回の出店は、ローソン側にとっては、大きなメリットがありそうですね。記事にもありますが、コンビには「市街地など優良立地での出店余地が少なくなって」います。しかも、それなりに人がいる場所では、かなりの確率で競合のコンビニがあるはずです。ウチの近所にも、徒歩3分以内のところに5件のコンビニがあります。
しかし、地下鉄の売店形式なら、間違いなく好立地ですよね。人は確実にいるはずですから。しかも競合がまわりにいないので、独占的な商売が可能です。
さらに言うと、東京メトロとの提携でノウハウを作ってしまえば、他の地下鉄や鉄道会社の売店を使って商売をできる可能性が広がります。それを見越しての提携と言うところもあるのでしょうね。
ちなみに今回の出店も、「セブンイレブンなどと競合」があったようです。売店を使ったビジネスは将来性があるということで、取りに行ったのでしょうね。
- ローソン、地下鉄に出店 東京メトロと提携、3年で50店 「駅ナカ」競争加速
産経新聞 2015年4月28日 [↩]
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