日本の旅行・観光の競争力は上昇傾向にあるようです

世界経済フォーラムによる2015年の「旅行・観光競争力報告書」によると、日本の旅行・観光競争力は世界で第9位なのだそうです。ヨーロッパと北米が強いランキングで、それ以外でベスト10に入ったのは、第7位のオーストラリアと、第9位の日本だけのようですね。1

率直に言って、この手のランキングは、評価基準をどうするかによるところが大きいです。どの部分を評価するかによって、ランキングは大きく変わる可能性があります。

ですから、それほど気にしすぎるのも考え物でしょう。とは言え、上位と評価されれば、それなりに嬉しいものではありますけどね。

日本のランキングは上昇傾向

ウィキペディアなどに、過去のランキングの一部が載っています。それを見ると、日本のランキングは上昇傾向のようですね。2007年に第25位、2011年に第22位、2013年に第14位と来て、2015年にやっとベスト10入りしたわけです。

観光立国と言うのは、民主党が積極的に推し進めていた政策です。色々と悪く言われる事が多い民主党ですし、私も悪く言っていますが、この点は評価しても良いのかもしれません。

実際、ベスト10に入るのは、観光で人気がありそうな国ばかりです。その中に食い込めたと言うのは、一定の評価に値するでしょう。

民主党の過去の行動を見ていると、今回の結果を使ってイメージアップ作戦を図るものと思われます。自分たちの手柄に関しては、かなり過大に宣伝するのを何度も見ていますから。彼らがどんなふうに振舞うのか、しばらく様子を見てみたいと思います。

もう一つ順位アップの要因として考えられるのは、東京オリンピックの効果でしょうか。とは言え、オリンピックの決定からまだ1年半程度です。インフラの整備が進むのはこれからでしょうから、来年以降は更なる順位アップがあるのかもしれません。まあ、下がる確率よりは、上がる確率の方が高いでしょうね。

恣意的な基準で選ばれたランキングなので

上にもちょっと書きましたが、この手のランキングは評価基準によって大きく動く可能性があります。何に重きを置くかで、順位は全然違うはずです。また、恣意的に順位を弄ることすら可能です。

ですから、順位自体にあまり縛られても仕方がないでしょう。

むしろ意識すべきなのは、過去の順位との比較です。基本的には毎回調査で評価基準が変わっていないようです。ということは、過去の同じ調査と比べてランキングがどうなっているかと言うのは、それなりに意味がある点でしょう。

その意味で、日本の順位が上がっているということ自体は、意味がありそうです。

ランキングの変動が大きいのが気になる

この調査でもう一つ気になるのが、ランキングの変動がかなり大きいという点です。例えば、フランスの順位を見てみると、次のように変動しています。

  • 2015年:第2位
  • 2013年:第7位
  • 2011年:第3位
  • 2009年:第4位
  • 2008年:第10位
  • 2007年:第12位

観光競争力と言う意味では、ずっと上位にいても良いと思われるフランスです。でも、こうしてみてみると、かなり順位は動いているんですね。10位以下にまで落ちている年すらあります。

インフラの部分は短期間でそれほど変わるものとも思えません。何でこんなに順位が変動するのか、率直に言って、不思議です。

上位は団子状態という事なのかもしれません。

スイスの評価が高いのは何故?

その一方で、ずっと安定して評価が高かったのがスイスです。2015年こそ第6位にまで落ちましたが、それ以前は、ウィキペディアに載っている範囲では、毎年第1位でした。

第6位に落ちたのは、経済問題が影響したのでしょうか。スイスフランショックと言われる通貨の大きな変動が2015年の頭にありました。これの影響は小さくなさそうです。

それにしても、スイスが観光地として人気なのは分かりますが、ずっと第1位を取り続けるというのはちょっと違和感を感じます。上にも書いたように、この手の調査は、基準一つで順位が全然違います。比較的スイスに優位な基準だったということなのでしょうか。

調査方法に興味があれば

ちなみに、ウィキペディアの「旅行・観光競争力レポート」には、ランキングを決める計算式が載っています。興味がある人は、チェックしてみてください。私自身はそこまでの気力は無いので、今回はここまでとします。


  1. 日本の観光競争力、世界9位 世界経済フォーラム発表
    朝日新聞デジタル 2015年5月7日 []

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