マイナンバーが導入されることで、一番得をするのはIT業界かもしれません。
この手の制度変更は、IT業界にとっては、常に追い風となります。例えば、消費税の税率5%から8%にしただけでも、かなりの売り上げあったはずです。なぜかというと、結構大規模なシステムの変更をしないといけないからです。
5を8に変えるだけだから、単純な変更に思えるかもしれません。でも、テストまで含めると、結構な売り上げになるのです。
それに消費税の場合は、小さな商店が使っているような会計ソフトまで対象になります。ですから、対応しないといけないソフトの数も、かなり多くなるのです。
マイナンバー関連の市場規模はかなりのもの
それと同様に、マイナンバーの導入により、多くのシステム開発が必要になるはずです。ですから、IT業界にはかなりの恩恵となるはずです。規模としては、消費税などとは比較にならないでしょう。
具体的にどんなシステム開発が必要かは、SankeiBiz の「マイナンバー制度、3兆円の巨大市場 民間向けシステム開発にしのぎ」という記事で紹介されていました。1 また、この記事によると、3兆円規模などという試算もされているようですね。まあ、これは、IT関連以外も含むようですけど。
公的なものから民間まで広く仕事があるはず
もちろん受注額で一番大きいのは、官公庁のシステム開発でしょう。マイナンバーを導入しただけでは意味が無いので、各省庁や市区町村が持っているデータと紐付けをするという作業が発生します。これはかなりのビッグプロジェクトとなるはずです。
ただ、具体的に何処まで対応するかは、まだ分からない部分も多いようです。アメリカのように広範囲に使われることになれば、システムを担当した会社は、かなり儲けることになりそうです。
民間の案件も、かなりありそうです。記事で紹介されているのは、源泉徴収票にマイナンバーを入れないといけないという修正です。
金融機関だけでなく、一般企業にとっても、制度導入後は社員の個人番号を源泉徴収票などに記載する必要があり、システム改修を迫られる。個人番号を扱う際には、厳格な事務作業や安全管理も要求され、事務量の増大が予想される。
全ての源泉徴収票で修正が必要という事で、なかなか大きな対応になりそうです。
また今後は民間でも、何かの登録をするときにマイナンバーの記入を求められる可能性もありそうです。どこまで普及するかは分かりませんが、普及したらかなりの受注が見込めそうです。しかも、長期間にわたって仕事がありそうですね。
制度変更があるとIT業界は潤う仕組み
消費税やマイナンバーに限らず、公的な制度変更があると、IT業界は儲かる仕組みになっています。例えば、帳票に項目を一つ加えるというだけでも、かなりのお金が動くのです。細かいものを上げていけば、キリがないでしょう。
ですからIT業界、特にシステム系の会社では、社会的にはマイナスであるような制度変更でも大歓迎なのです。制度の変更はシステム対応が必要になり、それが売り上げにつながるからです。
わかりやすいのは消費税の税率アップでしょうか。ほとんどの業界にとってマイナスである消費税のアップも、IT業界は歓迎ムードでした。8%から10%への引き上げが行われなかったときには、逆にがっかりした人も多かったはずです。売り上げが減りますからね。
そういう意味では、ちょっと特殊な業界と言えるでしょう。
セキュリティ業界にもビジネスチャンスがあるようです
ちなみに、マイナンバーに関しては、セキュリティ関連の業種も注目しているようです。例えば、マイナンバーを送付するときに、第三者に知られないようにする方法とか、個人番号カードで暗証番号を第三者に読み取られないようにする仕組みなどを行政が募集しているようです。
ということで、セキュリティ関連の業界もマイナンバー導入はビジネスチャンスだと考えているようですね。まあ、IT業界に近い業界だとは思いますが。2
- マイナンバー制度、3兆円の巨大市場 民間向けシステム開発にしのぎ
SankeiBiz 2015年5月8日 [↩] - マイナンバー通知カードや個人番号カードの技術的基準案
Security NEXT – 2015/05/07 [↩]
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