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起業直後は、余分な支出は少しでも減らしたいと思うものです。可能であれば、生命保険の保障を小さくし、保険料の負担を軽くしたいと思っている人もいるかもしれません。
しかし一般的には、個人事業主にとって生命保険(特に死亡保険)1 はとても重要です。保障を減らすどころか、逆に増やすことを考えないといけないかもしれません。
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死亡保険が重要になる理由
個人事業主にとって死亡保険が重要な理由は、サラリーマンに比べて公的な年金制度の給付が小さいからです。
サラリーマンを辞めて個人事業主になると、厚生年金から国民年金に切り替わることになります。そうなると、遺族年金の受給要件が厳しくなるのです。また、遺族年金をもらえても、受給額は小さくなります。
遺族年金の受給額が小さい分だけ、万一のケースに備えて自分で準備をしないといけません。遺族年金の保障が小さくなる分、死亡保険で補わないといけないのです。
ですから、一般的には、個人事業主になって保険を減らすなんてもってのほかなのです。むしろ、増やすことを考えないといけません。
もっとも、日本人は生命保険に入りすぎる傾向があります。そういうケースだと、見直しをして減らすという事も考えられますけどね。
子供のいない家庭は遺族年金がもらえない
上で「受給要件が厳しくなる」と書きましたが、これについてちょっと補足しておきましょう。
遺族基礎年金は、子供の生活を金銭的に助けるために給付すると言うのが、基本的なコンセプトです。ですから、子供がいない家庭では、遺族基礎年金は受給できないのです。
もう少し厳密に言うと、次のどちらかを満たす子供がいないと、受給ができません。
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- 18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
- 20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
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基本的には、高校を卒業するまでは、遺族年金である程度の面倒を見ようという考え方ですね。障害を持っている子供については、本人が障害者として年金を受給できるまでは、面倒を見ようと言うことです。
子供がいない家庭の場合、遺族基礎年金はサラリーマン家庭でもももらえません。
第2号被保険者(主にサラリーマン)の場合も、同様に遺族厚生年金はもらうことが出来ません。ただ、遺族厚生年金はもらう事が加納です。また、残された妻が40歳から65歳までの期間は、中高齢寡婦加算という形で遺族厚生年金の額が加算されます。ですから、第1号被保険者と比べてかなり有利なのです。
ということは、第1号被保険者である個人事業主は、生命保険を使うなどして用意する必要があるわけですね。
- 死亡保険と言うのは、被保険者が亡くなったら死亡保険金がもらえる保険のことです。一般的には夫を被保険者にして、夫が無くなった時に家族の生活が守られるようにします。 [↩]
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タグ: 中高齢寡婦加算, 生命保険, 遺族厚生年金, 遺族基礎年金