フジテレビが実力者を厳選した「ENGEIグランドスラム」というネタ番組の特番をやるのだそうです。最近はネタ番組が減ってしまったんで、かなり珍しい番組ですね。
メンバーを見ると分かるように、THE MANZAI やM-1、キングオブコントなどの歴代優勝者、準優勝者が出演しています。1 良くこれだけの売れっ子を集めたと思える、なかなか豪華な番組です。
ネタ披露芸人:
【漫才】博多華丸・大吉 / ブラックマヨネーズ / フットボールアワー / 矢野・兵動 / 笑い飯 / NON STYLE / パンクブーブー / ウーマンラッシュアワー / 爆笑問題 / サンドウィッチマン / オードリー / ナイツ
【コント】ロバート / ピース / TKO / 東京03 / 日本エレキテル連合
【ピン】バカリズム
【音ネタ】どぶろっく
Contents
R-1ぐらんぷりの優勝者、準優勝者はゼロ
でも、ピン芸人として出場するのは、バカリズム一人だけです。ピン芸人にとっては、ちょっと残念では無いでしょうか。
さて、今の勢いを考えれば、出演者を厳選したネタ番組にバカリズムが出てくるのは納得です。でも、歴代のR-1王者は誰も出場できないのは、かなり寂しいことですね。
バカリズムに勝ったやつらはなぜ出られない?
バカリズムもかつては毎年のようにR-1グランプリの本選に残っていました。でも、結果的には3位が最高でした。といことは、バカリズムを抑えて優勝や準優勝に輝いた人たちがいるわけです。この人達は、なぜこの番組に選ばれていないのでしょうか。
もちろん、賞レースのタイトルが全てだとは思いません。でも、バカリズムは何回もR-1本選に残ってきたのです。ということは、その全ての大会で、誰かしらバカリズム以上に面白かったという評価を受けた人間がいたはずですよね。
そんなに何人もいたら、一人くらいはこういう場に選ばれる人がいても良さそうです。なぜ一人も出られないのでしょうか。
本職のピン芸人は優勝しても売れない
なぜ出れないのかという言い方は、ちょっといやらしいですね。理由は簡単で、他の出演メンバーと比べて売れていないから出られないわけです。論より証拠ということで、R-1グランプリの歴代優勝者と準優勝者を見てみましょう。
- 第1回:だいたひかる
- 第2回:浅越ゴエ/ネゴシックス
- 第3回:ほっしゃん。/井上マー
- 第4回:博多華丸/あべこうじ
- 第5回:なだぎ武/徳井義実
- 第6回:なだぎ武/芋洗坂係長
- 第7回:中山功太/エハラマサヒロ
- 第8回:あべこうじ/エハラマサヒロ
- 第9回:佐久間一行/AMEMIYA
- 第10回:COWCOW 多田/スギちゃん
- 第11回:三浦マイルド/アンドーひであき
- 第12回:やまもとまさみ/馬と魚
- 第13回:じゅんいちダビッドソン/マツモトクラブ
こうやって見ると、一目瞭然ですよね。
テレビの露出を基準に考えれば、上のメンバーに入って出て来れそうなのは博多華丸と徳井義実くらいでしょう。でもこの2人はコンビ芸人でピン芸は本職では無いので、今回の番組にピンで出てくることは無いでしょう。
率直に言って、本来のピン芸人の優勝者や準優勝者が、全く売れていないのです。スギちゃんのように、一時的に露出が増えた人もいましたけどね。安定してテレビに露出し続けるような人となると、残念ながら居ないのです。
R-1ぐらんぷりは、フジテレビ系列で放送されている番組です。ですから、R-1優勝者を出したいという希望も制作サイドにはあると思うんですよね。でも、メンバー的に、ちょっときついと判断したのでしょう。
なぜ売れないのでしょうね
それでは、なぜR-1グランプリの優勝者は売れないのでしょうか。一応はキングオブコントやM-1と並べられる大会のはずですよね。でも、人材が生まれないのはどうしてなのでしょうか。
まあ、こんな事分かれば誰も苦労はしないわけですけどね。一応調べてみたら、DMMニュースというところの記事で、次のようなものを見つけました。テレビ関係者なる人が語っています。
「R-1優勝者をお試しでキャスティングしても、過去、トークがだめで使えないパターンが多かった。そのため、今や優勝者だからといって安易にキャスティングしません。それに、歴代の優勝者がぱっとしないため、R-1優勝者をキャスティングしても視聴率に結びつかない。ようは、“R-1ぐらんぷり”にブランド力がないんですよ」2
まあ、確かに、漫才をやって勝ち上がってきた人たちと比べれば、トークの腕は疑問があるのかもしれません。あべこうじや博多華丸などは例外でしょうけどね。それ以外は、話術で笑いを取れるとは思い辛いです。
評価が難しいから実力者が勝てないのでは?
また、全く個人的な印象ですが、ピンのネタは見る側の評価が人によって違うことが多いように思います。
この手の賞レースは、結果に対して視聴者が不満に思うことが多いです。「何であいつが優勝なんだ?」っていうヤツですね。
でも、R-1に関しては、特にその手の不満が出ることが多いような気がするのです。これは、コンビのネタに比べてネタの幅が広いため、好みが割れやすい傾向があるからでは無いでしょうか。フリップ芸と独りコントとスタンダップコメディーを同じ基準で評価しろといわれても、難しいはずですよね。
そうなると、実力者ではなく審査員の好みに合った人が優勝している可能性があります。少なくともそう考えても、それほど違和感が無いですよね。
審査結果に戸惑う事も多い
その証拠と言えるかどうかは分かりませんが、毎年審査委員長的なポジションに居る桂文枝の採点が、私には全く理解できません。つまらないと思った人に高い点が入り、面白いと思った人のネタは点が低いことが多いのです。
専門家なりの素人とは違った視点があるのかもしれませんが、一視聴者としては不思議で仕方がありません。他の賞レースだと、ここまで審査員と感覚が違うことは無いからです。
審査が難しいというのは、優勝者や準優勝者以外をみてみると分かるのかもしれません。結構な数の売れっ子が居るのです。
ちょっと上げてみると、ケンドーコバヤシ、陣内智則、友近、いとうあさこ、レイザーラモンRGなどです。この人たちは一過性の人気ではなく、コンスタントに露出し続けている実力者ですよね。
上に挙げたコンビ以外の優勝者や準優勝者とは比較にならないくらい露出が多い人たちです。でも、この人たちは審査員の好みに合わなかったのでしょう。もちろん、本番で実力を出し切れなかった可能性もありますけど。
ということで、「審査員の好み説」は、意外と核心を突いているのではないかと思っています。やっぱり、「ピン芸」というだけでは、括りが広すぎるのでしょう。
審査員の人選も迷走
こうした評価基準の難しさが影響しているのでしょうか。審査員の顔ぶれも良く分からない人が多いです。江川達也や堺正章、森末慎二、秋元康などが審査員になっています。秋元康は元作家ですから分かるとしても、江川達也や堺正章、森末慎二が審査員なのは疑問ですよね。
常識的に考えて、彼らが他の賞レースの審査員をすることは無いでしょう。専門家以外が突然審査をしたら、おかしなことになりますからね。
でもR-1ではそれが許されているのです。おそらく、ピン芸人という括りが広すぎて、誰を審査員にしたら公平な審査が出来るのか、作り手側も困っているのでしょう。
ちなみに最近は、一般視聴者投票以外は審査員は全て芸人がつとめているようです。さすがに全くの門外漢を連れてくるのは、批判もあったのでしょうね。
ピン芸人がいないわけでは無い
さて、テレビで活躍する芸人の中で、ピン芸人がいないわけではありません。今一番の売れっ子芸人といえば、ピン芸人の有吉弘行ですよね。今回フジの番組に出るバカリズムもピン芸人です。あと、ビビる大木もいます。他にも、名前を挙げたらきりがありません。
でも、こうした人達は、誰もR-1のタイトルとは縁がなかったわけです。上に挙げたように、R-1に出ていた実力者も居ましたが、タイトルには届かなかったのです。
つまり、R-1の審査というのは、結局は、テレビで通用する人を探す仕組みでは無いという事なのでしょう。
賞レースをやって実力者を作り、それを他の番組に出して人気者にしようというような考えが制作サイドにはあるはずです。人気者が生まれることで、賞レース自体に箔がつくわけですね。でも、R-1に関しては、全くそういう循環になっていません。番組を作っている側も、期待はずれなのでしょうね。
そういえば、最近は、優勝してもチャンスすら与えられない感じですよね。じゅんいちダビッドソンは、本田圭佑がらみでまだテレビに出してもらえるようです。でも、佐久間一行、三浦マイルド、やまもとまさみあたりは、優勝以降も一時的にでも露出が増えたという感じはありません。
これだけ優勝者が活躍しないと、番組としても厳しいですね。
- 全組爆笑!賞レース王者揃う豪華ネタ番組始動、MCはナイナイ&松岡茉優
お笑いナタリー 2015年5月21日 [↩] - R-1ぐらんぷりの不吉なジンクス…売れる芸人がほぼ皆無なワケ
2015年2月17日 11時50分 DMMニュース [↩]
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