最近はテレビをあまり見なくなっていますが、「しくじり先生」という番組は割とよく見ています。過去に何かしらの失敗をした芸能人が先生となって、どんな失敗をしたかを授業するという形式のバラエティ番組です。
実際の失敗を省みて、今後の生きる糧にしようというような意味合いもあるのでしょう。「俺みたいになるな!!」という副題が付いています。
最初は単発の特番が何回かあり、それが好評で深夜のレギュラー放送が始まった番組ですね。さらに2015年の3月からゴールデンタイムに放送されるようになりました。深夜時代もわずか半年ですから、ここまで非常に順調に来ています。
でも最近は、残念なことに、確実に以前よりは面白くなくなっていると感じます。視聴率もそれほど良くないようですし、短命に終わるのかもしれませんね。
あるいはテレビ朝日が得意とする、看板だけ残して内容を全く変えてしまうという手法をとるのかもしれませんけど。
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「深夜番組がゴールデンタイムに行くと失敗する」というパターンの一つなのか?
最近は、深夜放送ではじめた番組の評判が良いと、それをゴールデンタイムに持っていくという手法がとられることが多いです。こういう以前からあったのですが、特に増えている印象ですね。
でも、この手の方法は、結構失敗もしているようです。失敗の原因としてよく言われるのが、「深夜とゴールデンでは視聴者層が違う」とか「深夜のように思い切ったことが、ゴールデンではやりにくい」といったあたりでしょうか。
確かに、あてはまる例はたくさんありそうです。私自身も何度かがっかりした事もあります。
深夜時代に好きだった番組が、時間帯が上がっておとなしい内容になってしまったのです。その後色々と内容をいじられ、最終的にはまったく別の番組になってしまいました。
でも、個人的な印象でいうと、今回の場合は今までのパターンとちょっと違うのでは無いかと感じています。確かに深夜時代よりもパワーダウンしている感じはするのですが、それは必ずしもゴールデンに上がったためでは無いように感じるのです。
キャスティングが難しいのでしょう
ゴールデン昇格が大きな問題でないと感じた理由の一つは、ゴールデンタイムの放送でも面白い回はあったからです。具体的に言うと、ホリエモンこと堀江貴文の回は興味深く見させていただきました。深夜時代と比べても遜色がないくらい、刺激的な内容でもありましたしね。
ですから、ゴールデンだから何かに気を使って内容を抑えているというわけでも無さそうなのです。それにもかかわらず、どうしようもなくつまらない回も増えているのです。
今でも内容的に面白い回も作れるのに、つまらない回が出てきた理由は何なのでしょうか。これはおそらく、本当にしくじった人を引っ張り出すことが出来なくなったからでしょう。
ちょうどいい人は見つかり辛いのでしょう
そもそもこの番組の肝は、テレビで放送できる程度の失敗をした人本人に当時を振り返ってもらうことです。でも、失敗が小さすぎると番組として成立はしません。
つまり、テレビ放送に耐えられる程度の大きな失敗をしないと、番組にはなりにくいのです。ただ、そんな人が都合よく見つかるかというと、必ずしもそうはいかないでしょう。
仮にいたとしても、その人にとっては汚点とでも言うべき内容です。芸能人の仕事の一部が自分の過去やプライバシーを切り売りすることだとしても、ちょっと避けたい部分ではありますよね。
しくじっていない人を無理やり「しくじり先生」に
そこで最近は、全くしくじっていない人を「しくじり先生」として呼んで番組にしています。過去のちょっとしたつまずきを、かなり大きな失敗であるかのように演出している感じです。
具体的には私が見た回では、小倉優子の回と保田圭の回は酷いものでした。まず、この人選の段階から相当疑問です。この2人を見て「この人がしくじり先生?」と疑問に思うはずですよね。
どちらも若い頃から成功し、その後もテレビに出続けている人たちです。しかも比較的最近結婚し、結婚生活も上手く行っているようにしか見えません。特に同業の方だと、そうとう頭にくるのではないかと思います。単なる嫌味に感じるレベルでしょう。
針小棒大を絵に描いたような内容
この2人でどうやって番組を成立させているかというと、小さなマイナスを大きく膨らませて形にしているというような手法をとっていました。過去のちょっとした失敗や精神的に辛かったエピソードなどから、無理やり「しくじった」ことにしているわけです。
おそらく作家が優秀なのでしょう。そんな作り方でも、一応番組の形にはなっています。ただ、冷静に見てみると、成功するまでのちょっとしたつまずきに過ぎないと気が付いてしまうわけです。
作っている側も、相当無理をしているのではないかと思わずにはいられません。
生徒役の方がしくじっている
こんな微妙な「しくじり先生」を登場させ、何とか番組として成立しているのは、生徒役の頑張りも大きいのでしょう。細かな話でも熱心に共感し、番組として成立させようと努力しているのが伝わってきます。本当は、そんなこと伝わったらまずいのでしょうけどね。
でも、冷静に考えると、生徒役の芸能人の方がしくじっているはずですよね。例えばオードリーはM-1で注目されるまで大変だったようです。菊地亜美も、保田圭や小倉優子に比べれば、長い下積みをしているはずです。
やっぱり、先生役が弱すぎるのは間違い無さそうですね。
番組の性質上、いつかはこうなる
失敗した人を探して授業をさせるという番組の性質上、こんなふうになることは当初から想像できていたことでしょう。繰り返しになりますが、テレビで話せる程度のちょうど良い失敗をして、しかもそれをテレビで話せる人を探すのは、簡単では無いはずです。
おそらく、私を含めた視聴者だって、いつまで続けられるのか疑問だったに違いありません。予想通りの展開になっていると思っている人が多いはずです。
ただ、「予想以上に行き詰まるのが早かったな」というのが私の実感です。
ここから番組を立て直せるのか、興味深いところですね。さすがに今のフォーマットだとクイズ番組にはし辛いでしょう。どんな手があるのかなあ。
モーニング娘。には、しくじった人がたくさんいるはず
ちなみに、モーニング娘。に関して言うと、保田圭以上に失敗している人はゴロゴロいます。
最近一番旬なのは、矢口真里ですよね。彼女が離婚騒動の詳細を語れるのなら、この番組の趣旨にぴったりです。誰がどう見ても、しくじっていますから。
今回の保田圭の授業を見て、矢口の方がしくじっていると思った人は少なくないはずです。
一番大きいしくじりをしたのは、加護亜依でしょうか。でも、テレビには出られないレベルのしくじりです。リストカット騒動とかありましたからね。
後藤真希は身内に色々と問題があったようです。彼女の話も警察沙汰になった内容ですから、テレビでは難しいでしょう。本人じゃ無くて、弟の話ですから特に。
あと、保田圭に関しては、身内との問題があったようですね。結婚したタイミングで、父親が失踪したとい報道がありました。こっちの方なら、インパクトもあったでしょう。
でも、この話はテレビではダメなのでしょうね。本人のイメージダウンも大きいでしょうし。
これ以外の人だと、保田圭や矢口真里と市井紗耶香は、いい感じにしくじっている感じはします。自分からグループを辞めて、その後浮上もしていませんし。でも、最近はテレビに出ていない人も多いですから、「この人、誰だっけ」というようなことにもなりそうです。
こうやって考えてみると、やっぱり、ちょうど良いレベルの「しくじり先生」を見つけてくるのは難しいようです。モーニング娘。から選ぶなら、保田圭あたりが無難という事になりそうですね。
長期に続けられるのが大事、それが無理なら出口戦略を
この番組がどうなるかは分かりませんが、過去の例を見る限り、内容を変えながら存続をはかるのでしょうね。現在のような状況が続くのなら。
同じテレビ朝日の例だと、Qさま!!のような例もあります。今では普通のクイズ番組ですが、深夜時代は芸人を使って無茶をさせる番組でした。当時を知っている人からしたら、完全に違う番組だと感じるでしょう。
でも、この状況って、ビジネスでも似ていると思いませんか。
何となく上手く行きそうだからと大規模に展開してみたものの、人気が長続きせず結果的に失敗するケースって少なくなさそうです。さらに言うと、計画に問題があると気づいてから、慌てて試行錯誤を始めるのも珍しいことではありません。
やっぱり、着眼点が面白いだけだと、ビジネスとしてはNGなのでしょうね。
テレビ番組のレギュラー放送は、一旦はじめたら通常は半年は続けないといけないという縛りがあります。よほどのことがない限り、打ち切りにはなりません。
ですから、失敗してからの試行錯誤はまだ許されるのでしょう。でもビジネスの場合は、これをやりだすと傷口が広がるだけなんですよね。通常は期間が決まっていませんから、止め時が分かり辛いのです。
もちろん、偶然上手くいく可能性が全く無いとは言いません。でも、失敗することの方が多そうです。
ビジネスをはじめるのなら、長期的に続けられるモデルを考えるのが大事なのでしょう。最初から長期的に続けられないのが分かっているモデルなら、出口戦略を考えることも大事です。
なんだか色々と考えさせられる番組です。まさにしくじり先生です。
番組自体の悪あがきをこれからも時々見てみようと思います。もっとも、興味を失ってみなくなる可能性も大きいですけど。
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