鳥取の養護学校で看護師全員が辞職し大混乱に| 管理職の能力が原因のように感じます

鳥取県立の養護学校で、看護師6人全員が一斉に辞めてしまうという出来事があったようです。このためケアを必要とする一部の生徒が、通学できていないのだとか。1

どうやら、いわゆるモンスターペアレントの横暴に耐えかねて、看護師6人は辞めてしまったということのようです。毎日新聞の記事によると、次のような状況だったようですね。

看護師の1人は、ケアが数分遅れたことについて、ある保護者から威圧的な言動を繰り返し受けたと訴え、他の5人も不安を募らせていたという。

原因は何処にあるのでしょうか

率直に言って、記事を読むだけでは、具体的に何が悪かったのか分からない点が多いです。まあ、常識的に考えると、予想される原因は次の3つくらいでしょうか。

  • 6人の看護師の仕事に対する責任感が足りなかった
  • 管理職の能力・努力が足りなかった
  • モンスターペアレントの横暴が常軌を逸していた

3番目のモンスターペアレントの横暴というのは、まあ、間違いないところでしょう。非常勤とは言え、人が6人も一斉に辞めるなんて、常識的にはちょっと考え辛いですよね。

もちろん、ケアが必要な生徒の親という事ですから、神経質になっていた部分はあるのでしょう。でも、そんなことでは許されないくらいの暴れ方をした可能性が大きそうです。

裏は取っていませんが、ネットを見る限り、実際そういう情報もあるようですね。

1番目の看護師の責任感という部分に関しては、率直に言って、あまり考えにくいですよね。6人一斉に辞めるという事実だけを取ってみても、かなり追い込まれた状況だったことが想像できますから。

さらに言うと、自分から看護師になろうという人なら、職業意識も高い気がするんですよね。責任が重い仕事を自分からしている人たちが、それほど無責任だとは、どうしても考え辛いのです。

もっとも、看護師の資格があれば、次の仕事が簡単に見つかるという計算があったのかもしれません。そういう意味では、他の仕事よりは辞めやすかったのかも。

2番目の、管理職の管理能力に問題があったというのは、十分に考えられそうです。そもそも今回の職場では、8人の看護師が必要だったのだそうです。しかし実際には、6人の看護師しかいなかったのだとか。つまり、常態的に無理をさせていたわけです。

また、保護者に威圧的な人がいたのなら、学校側が仲介に入るべきですよね。教師なら保護者のクレームを聞くのも仕事のうちなのでしょうが、クレームを付けられていたのは看護師なのですから。でも、記事を読む限り、どうもそういう役割を果たしていた形跡はありません。

テレビ朝日の記事によると、辞職の理由として「学校側の改善も見受けられない」とも言っているようですから。2

再開できるのか?再発しないのか?

毎日新聞の記事によると、現在一部の生徒は授業を受けられない状態だといいます。県看護協会などに看護師の派遣を要請して、再開することを考えているようですね。

でも、こんな報道が出てしまうと、怖くて成り手なんて無いですよね。看護師の求人は少なくないでしょうから、問題があることが分かっている職場を自分から選ぶ人はいないでしょう。公的な施設なので、給与を大きく増やすというわけにも行かないでしょうし。

さらに言うと、人を集めてきたところで、モンスターペアレントがいなくなるわけではありません。体制だって大きくは変わらないでしょう。そう考えれば、問題が再発したっておかしくないでしょうね。

責任問題にはどこも触れていない

さて、個人的に気になることがもう一つあります。そもそも、この学校の管理者の責任問題はどうなるのでしょうか?

いくつか記事をあたってみましたが、管理者の責任について触れている記事は一つもありませんでした。ということは、特に処分無しという事なのでしょうか。

少なくとも今回の事件により、学校に生徒が来られないという異常な状態を作ってしまいました。これって民間企業なら、責任者の首が飛んでもおかしくないことですよね。

もう少し細かく見ると、そもそも学校側は看護師から、状況の改善を求められていたようです。それが出来ていない時点で、大きな失態ですよね。さらに言うと、後任の看護師を決める前に、大量に看護師に辞められてしまいました。もう少し引き止めることが出来れば、状況も変わったでしょう。

こう考えると、もう言い訳が出来ないほどの失敗だと思うんですよね。

この状況で管理者が何も責任を取らないのだとすれば、どれだけ甘いんだという感想しかありません。もしかしたら、公にされていないだけで、何らかの処分があったのかもしれないですけどね。あるいは、今後処分が下るのかもしれません。

管理職はどうすべきだったのでしょうか?

看護師というのは、いわば技術スタッフですよね。しかも常勤ではなく非常勤のスタッフです。そういう人にクレーマー対応を任せているのが一番大きな問題のような気がします。

技術的な問い合わせに関しては看護師に対応させるにしても、それ以上の部分に対しては別の人間が対応すべきだったのでしょうね。

また、人員不足だったことで、看護師の側にも負い目のようなものはあった可能性があります。人員不足は自分達の責任で無いとは言え、十分なケアができていないという思いはあるはずですから。実際、対応が遅れがちだったことがクレームが出るきっかけだったようです。

ということは、あと2人採用して8人体制にしておけば、全員辞職という最悪の事態は避けられた可能性がありそうです。

すぐに人員を増やすのが難しくても、改善の展望を明確にしておけば、やはり全員辞職は避けられたのかもしれません。看護師側は「学校側の改善も見受けられない」ということを言っていますから、学校側の対応が真摯なものでなかった可能性が大きそうです。

こうして考えると、多分、管理職と現場スタッフのコミュニケーションが十分でなかったのでしょうね。ですから結局、管理職個人の能力に帰する部分が多そうな気がします。

まあ、記事を何本か読んだだけの判断なので、本当のところは分かりませけど。


  1. <鳥取養護学校>看護師全員が一斉に辞職
    毎日新聞 2015年6月8日 []
  2. 「保護者厳しすぎ」養護学校の看護師全員が辞職願い
    テレビ朝日系(ANN) 2015年6月8日 []

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