JBpress というところの「アップル、業界利益の9割超を1社で稼ぐ」という記事が興味深いので、ご紹介したいと思います。1
とは言っても、まさにタイトル通りの記事です。2015年1~3月期のスマホ業界の全世界の営業利益を足しあわせると、その9割超をアップルが上げているというのです。
正確には、92%がアップルなのだそうです。ちなみに、第2位がサムスン電子で、営業利益のシェアで見ると15%なのだとか。
アップルとサムスン電子で100%を超える
ちなみに、アップルとサムスン電子で全体の107%になってしまいます。この両社で100%を超えてしまうことに違和感を持つ人がいるかもしれません。何か変な感じがしますよね。
でも、この2社で100%を超えたとしても、全く問題が無いのです。なぜかと言うと、営業利益はマイナスになりうるからです。マイナスになる場合は、営業損失と言うほうが一般的ですけどね。
ということは、アップルとサムスン電子以外のメーカーは、ほとんど利益が出なかったか、マイナスだった可能性が大きいわけです。
売上高はともかくとして、利益の面ではアップルと全く勝負が出来ていない状態と言ってよさそうです。2位のサムスン電子ですら、勝負になっていない感じですね。
ここ1年でアップルの一人勝ちの状況が進んだ
ちなみに、1年前の同時期の調査では、アップルの営業利益のシェアは65%だったそうです。この1年でかなりシェアが上がっていることが分かります。
記事によると、どうやら、他社はほとんど利益を上げられていないのが現状のようです。ですから、アップルが利益を大きく伸ばしたというよりは、他社が利益を上げられなくなったという表現の方が適切かもしれません。
スマホ本体の差別化が難しくなり、価格競争が激しくなっていると言われています。アップル以外のスマホメーカーは、安売り競争をしているために、利益を上げることが難しいのでしょうね。
販売価格を維持しつつも販売台数を増やすアップル
一方アップルは、そんな価格競争とは無縁のようです。高い販売価格を維持しながらも、販売台数は増やすことに成功してるようです。
これに関して、記事に面白い記述がありました。ちょっと引用してみましょう。
昨年におけるiPhoneの世界平均販売価格は624ドルだった。これに対しAndroid端末の平均販売価格は185ドル。
途上国での販売価格も含むので、先進国ではAndroid端末もここまで安くは無いでしょう。でも、全世界的に見ると、価格競争で体力を削りあっている姿が想像できます。
アップルはそれを高みの見物しているという図式に見えますね。まさに、金持ち喧嘩せずと言った感じでしょう。
ネットでの批判は妥当なのか?
この記事はYahoo!ニュースで見つけたのですが、やっぱりアップルに対する批判もかなりあるようでした。「ボッタクリ」とか「儲かりすぎ」というのが、批判的な意見の代表みたいですね。
でも、この手の批判って、個人的には理解できません。商品をいくらで売るかは、あくまで売り手の自由ですよね。それに納得できなければ、買い手側は買わなければ良いだけの話です。
「ボッタクリ」と言っている人は、実際の商品の価値に比べて売値が高すぎると思っているでしょう。そう思っている人がいるのは自由ですが、世間一般はそう思っていません。ですから、よく売れているのです。
それに、企業の最優先課題は儲けることです。ですから、「儲かりすぎ」と批判されても「何が悪いの?」と言い返されてしまうだけでしょう。
「儲かりすぎ」という批判をしている人は、何に対して批判をしているのでしょうか。他社に利益を分けろとでも言うのでしょうか?あるいは、儲けることはけしからんことだから、販売価格を安くして消費者を喜ばせろと言いたいのでしょうか。
こういう批判が出る背景には、結果が平等でないといけないという思想があるように思います。でも、ビジネスと言う競争をしているわけですから、こんなふうな大差が付く事もありえます。
でもこのような大差は、結果平等を旨とする彼らの感覚で受け入れがたいのでしょうね。ちょっと面白い傾向ですね。
まあ、単純に成功者に対する妬みという感じもしますけど。
- アップル、業界利益の9割超を1社で稼ぐ
JBpress 2015年7月14日(火)6時10分配信 [↩]
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