安保関連法案のプロパガンダで勝利した共産党| 負けたのは自民党ではなく民主党

2015年10月25日に宮城県議選が行われました。一地方の県議選ですが、その結果がかなり興味深いものでした。

このページでは、その結果について考えてみることにしましょう。攻撃していた敵ではなく、味方に近い政党同士が食い合うという不思議なことがおこったのです。

選挙結果を確認してみましょう

まず最初に、選挙結果を確認してみましょう。左の数字が今回の得票率です。そして右側の数字が、前回の2011年の選挙の得票率です。

▽自民党 36.3%(37.4%)
▽公明党  7.1%(6.9%)
▽民主党 10.2%(13.2%)
▽共産党 12.8%(7.3%)
▽維新の党 2.4%(-)
▽社民党  2.2%( 3.6%)

この数字を見て分かるように、安保関連法案で散々批判された自民党は、それほど得票率を下げていません。公明党も横ばいといったところです。

そして、得票率を明確に上げたのは共産党で、明確に下げたのが民主党と社民党です。

これって、ようするに、与党の支持は大きく変わらなかったということですよね。野党内で民主党や社民党から共産党に流れた人が多かったと見るべきでしょう。

安保関連法案の批判は自民党離れにつながらず

安保関連法案の審議に関しては、与党が破れ野党が勝ったという見方をした人が多かったはずです。野党は「戦争法案」というレッテルをはり、自民党が戦争をしたがっているかのような印象を与えることに成功しました。

戦争法案という言い方は、完全な的外れだと思います。それでも、人々の感情を動かす効果があったのは見て取れました。

議席数が圧倒的に違うので、当然法案自体は通ります。でも、自民党としては、予想以上の労力を割いて法律を通すことになったはずです。当初はもっと楽に通せるはずだと踏んでいたでしょうから。

それにもかかわらず、今回の宮城県議選では自民党は得票を下げなかったわけですね。おそらく、もともと自民党に投票していた人は、継続して自民党に投票したのでしょう。

その結果、野党の中での評価が高かった共産党に、民主党や社民党から票が流れるということがおこったわけです。

民主党や維新の党はおめでたい政党

そして、現在の各政党の状況はどうなっているかというと、民主党は共産党との選挙協力を求めています。

でも、これって、かなり危なっかしいことをしているように思えてなりません。民主と共産が手を組んだら、ますます民主は共産に票を奪われるのではないでしょうか。何せ、自民・公明への票は変わっていないのですから。

民主党は、共産党を躍進する手助けでもしたいのでしょうか。

それともう一つ、分裂騒動のさなかにある維新の党もおかしな動きをしています。完全に落ち目に見える民主党と、一緒になりたがっているように見えるのです。

彼らはどうしたいのでしょうか。民主党と一緒になれば、自民党に対抗する勢力になれると思っているのでしょうか。

それにそもそも、維新の党の民主党と連携したい人たちは、民主党と政策がだいぶ違うはずなんですよね。例えば、民主党は消費増税は絶対にすべきと主張しているのに対して、維新の党の人たちは消費税には反対だったはずです。

はっきり言って野合なんですよね。こんなので、自民党に対抗できるとは全く思えないのです。

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