ファミリーマートがバイト確保のための新制度を開始| 雇用統計が示すように人手不足は深刻なようです

コンビニ大手のファミリーマートが、アルバイト従業員を確保するために、採用方法を変更するようです。本社で一括で受付を行い、その後各店舗のオーナーや採用担当者と面接するという流れになるようです。1

コンビニのアルバイトの採用は、各店舗ごとに個別に行われているイメージがあります。バイトの給与は各店舗が費用として計上するものなので、当然と言えば当然でしょう。

それをわざわざ新しい制度にするのには、どんな理由があるのでしょうか?

人材の確保が難しくなった

こんなふうな試みを始める最大の理由は、人員の確保が難しくなったからのようです。

有効求人倍率や完全失業率を見ると分かるように、日本の雇用状況は確実によくなっています。これは裏を返すと、企業にとっては労働者を集めるのが難しくなっているということですよね。

それに加えて、少子化の影響で、学生のアルバイトもだいぶ減っているとい事情もあります。アルバイトをたくさん使うコンビニのような業界では、特に深刻なのでしょうね。

従来のバイトの募集は非効率だった

そもそも、従来のコンビニのアルバイト募集は、かなり非効率なものでした。各店舗が窓口になっていたので、バイトの申込の電話に対応できないこともあったのです。

客がレジに並んでいる時間は、電話があっても後回しにされてしまうのは、容易に想像が出来ますよね。ですから、本来は見つけられるはずだったアルバイトを、見つけられずにいたという事情があるようです。

もうひとつ非効率だと思うのは、アルバイトの募集広告を各店舗ごとに出さないといけないというやり方です。各店舗が広告を出すよりも、本部がまとめて広告を出した方が、明らかに費用対効果はいいはずです。

バイト情報誌などを見ていると、時々同じチェーン店の広告がいくつも入っていたりします。そういう状況を防げるわけですね。その代わりに、大きな広告をドンと出すことが可能になります。

こうやって考えると、今回のやり方は、かなりコストの節約にもなりそうです。その意味でも、各店舗としてはありがたいのではないでしょうか。もしかしたら、本部に別のお金を徴収されてしまうかもしれませんけど。

ブラックバイトは関係ないと思うよ

ちなみに、このニュースに関するYahoo!ニュースのコメント欄で、弁護士が興味深いことを言っていました。興味深いと言うのは、内容の素晴らしさに唸ったというわけではなく、あまりに頓珍漢で呆然としたと言う意味ですけど。

ちょっと引用してみましょう。

嶋崎量 | 2015/11/24 15:39
弁護士(日本労働弁護団事務局長)

コンビニで、アルバイトの確保に苦労しているのが背景だが、その根本的な原因は「ブラックバイト」という言葉を生み出す、問題のある労働実態にある。
学生が、本文である学業と両立できないような労働実態についてメスを入れずに、単にネームバリューのアル本社が採用に関わって、人手を確保しようとしても、根本的な対策にはならないだろう。
本社が「人材確保を支援し、店舗の負担軽減を図る」こと自体問題があるとは言わないが、本社がアルバイトの労働実態についても、監視監督するチェック機能を果たして、「ブラックバイト」という言葉を業界から追放する様な取組こそが求められる。
目先の人材確保だけを考えるのでは、本質的な問題解決にはならない。アルバイトだからといって、労働者を軽く見ては、人手不足解消も上手くいかないだろう。

何言ってんのこいつって感じですよね。

最近の雇用統計を見れば、需給関係でバイトを探しにくくなっているのは明らかです。統計的に明らかな部分を無視して、強引な自説を展開しているようにしか思えません。

本当にブラックバイトであることが原因で学生バイトが集まりにくいのであれば、客観的なデータで示すべきでしょう。批判はしていますが、定量的なことは一切書かれていないんですよね。

おそらく、この方は、すきあらばコンビニの労働環境に文句を言ってやろうという人なのでしょう。

この方の問題意識を全く理解しないわけではありませんが、こういうやり方は逆効果なんじゃないでしょうかねえ。筋違いな批判ですから。

それに断言しますが、彼の言うとおりにやっても、日本全体の人手不足の根本的な解決にはなりません。繰り返しますが、単に需給の問題ですから。


  1. アルバイト採用、ファミマも一元管理 新部署開設 人材獲得競争激化で
    産経新聞 2015年11月24日 []

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