産経新聞によると、最近は外国人専用のホテルやレストランが作られるようになっているのだとか。日本に訪れる外国人が増えたのを受けて、こういう施設を作っているわけですね。1
でも、この動きって、あまり賢くないことをしているように思えてなりません。2つの点で企業にとってマイナスだと思うのです。
日本人差別をする企業と言う悪い印象
外国人専用と言うことは、日本人はお断りということですよね。まず、これが問題になりそうな気がします。
なぜかと言うと、日本人の入店を断るような店を作るということは、日本人のその企業に対する印象の悪化につながる可能性があるからです。日本にあるレストランなのに日本人拒否なんていわれたら、あまり良い気持ちはしないですよね。
実際、早くも反発している人もいるようです。Yahoo!ニュースでは、次のような記事が掲載されていました。2
特に、他の日本国内のショップよりも優遇するようなことがあると、反発は大きくなりそうですね。有利なショップでは日本人は門前払いするような対応をされたら、穏やかではいられないでしょう。
ですから、こういうことをすると、企業イメージの低下につながる可能性があるわけです。
中国って今後も好調なの?
そしてもうひ一つが、中国人の爆買いがこれからも続くのかという懸念です。個人的には、こちらの方が影響が大きいように思います。
なぜかと言うと、現在の中国経済はかつての良い状態とは程遠いからです。
今回のような外国人専用の施設と言うのは、やっぱり中国人を意識して作ってると思うのです。しかし、中国人観光客の来日が、どこまで続くのかという疑問があります。
表向の直近の数字だと、中国の経済成長率は年率換算で6.9%ということです。この数字でも、かつての2桁成長と比べると、大減速です。
以前は保八といって、中国と言う国を安定させるには年率8%の経済成長が必要であると言ってきました。しかし公式発表ですら、8%に届いていないわけです。
そして、おそらくこの6.9%という数字は、正しいものではないでしょう。中国共産党の以降で、今年の目標の7%に近い数字を出してきているのだと考えられます。
でも、貿易統計などから考えると、年6.9%で成長しているとは思えないのです。マイナス成長でもおかしくないと言う専門家もいるくらいですから。
そして今後も、6%台の成長が続くと言いますが、そもそも今の数字が嘘なので、この数字も信じようがありません。
繰り返しますが、彼らがターゲットにしている外国人の多くは中国人でしょう。中国経済が今のような状態で、本当に今後も外国人観光客の需要が見込めるのでしょうか。
結構危なっかしいチャレンジだと思うのです。
一旦日本人NGにしたら後からOKとも言えないでしょう
仮に予定通りの外国人客が見込めなかったとしたら、これらの外国人専門店はどうするつもりなのでしょうか。
今さら日本人の入店を認めたとして、その店舗にすなおに日本人が行くとは思えないんですよね。今まで拒んでおいて、自分たちの都合が悪くなったら急にOKと言われてもね。
もちろん、店舗の1つや2つ失敗しても大丈夫なようなチェーン店が出店するケースが多いのでしょうけどね。
- 外食・ホテル…外国人専用が急増 爆買い期待「日本人お断り」
産経新聞 2015年11月27日 [↩] - 外国人専用で「日本人お断り」の店?~逆差別じゃないのですか?
児玉克哉 | 社会貢献推進機構理事長・UBrainTV株式会社取締役
2015年11月27日 [↩]
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