西日本新聞という新聞の記事で、「『6万円でも安い方』ランドセル、家計に重荷 無料配布や見直す動き広がる」というものがありました。タイトルから分かるように、ランドセルが高すぎるのが原因で、家計が厳しくなるケースがあるというような記事です。1
もちろんランドセルを買うのはタダではありませんから、家計に一定の影響があるのは事実でしょう。特に母子家庭などの貧しい世帯では、その影響は大きい事が考えられます。
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西日本新聞が言うことを信じれば、確かに家計には負担だが
それにしても、そこまで大きな影響があるのでしょうか。率直に言って、記事のスタンスには疑問を抱かざるを得ません。
特に何が疑問かというと、次の部分です。
薄紫、ピンク、花の刺しゅう入り…。福岡県のあるかばん店では年間を通して多彩なランドセルを陳列、販売している。最も安いもので4万円、最高値は12万円。売れ筋は5万~6万円の商品という。別の店で6万円のランドセルを買った福岡県の母親は「6万円でも安い方だと思った」と“相場観”を口にした。
この部分だけを読むと、ランドセルが最低でも4万円はするという印象を受けますよね。一生に一度のものとはいえ、確かに4万円という金額は、生活を圧迫する可能性がありそうです。本当に4万円もするならね。
記者はamazon.co.jpや楽天市場を使ったことが無いのかな?
でも、今回引用した部分の記述は、意図的にランドセルが高いものだという印象を与えたがっているようにしか見えません。なぜなら、世の中には1万円を切る価格で買えるようなランドセルも多数存在するからです。
その証拠は簡単に出てきます。amazon.co.jp でも楽天でも良いので、ランドセルで検索してみればいいのです。値段が高いものも存在しますが、1万円以下で買えるものだって簡単に見つけられるでしょう。
また、もう少し根は張りますが、ニトリのランドセルなら2万円程度で購入ができるようです。あ、11,900円という商品もあるみたいですね。これもニトリの公式通販サイトを簡単にチェックすることができます。
西日本新聞の記者が取材に行ったのは、どんな店だったのでしょうか。高級品を中心に扱う店ではなかったのですか?そして、この記者は、amazon.co.jp や楽天で価格をチェックするという習慣が無いのでしょうか?
能力が無いのか、世論を捻じ曲げようと思っているのか
安いランドセルが売られていることに気づかないのだとしたら、西日本新聞はこの記者と編集者を解雇した方が良いですよね。amazon.co.jp で価格チェックも出来ないような人は、さすがに新聞記事を書く資格は無いでしょう。ちょっと汚い言い方をすると、無能すぎます。
意図的に読者に何らかの印象操作をしようとしているとしている場合も、やっぱり担当者は解雇してもいいレベルのような気がします。新聞の読者に対してあまりに不誠実な態度です。
まあ、正社員を解雇するのは、現実問題としては難しいでしょうけどね。記事に携わるポジションから外すくらいの事は必要でしょう。新聞社の商品である記事の質にかかわりますから。
もっとも後者の場合だと、新聞社の方針にしたがって記事を書いている可能性があります。そうであれば、西日本新聞にとっては、優秀な記者や編集者なのかもしれませんけどね。
インターネットができる前ならこの程度でも十分だったのでしょう
意図的に世論を誘導しようという意図があったとしても、今回の手口はあまりにずさんです。記事の中では他にもいろいろと理由をつけて、ランドセルが高いものだと言っています。でも、実際の通販サイトを見てみれば、安いものが売っているのは一目瞭然ですからね。
ただ、こういった見え透いた世論誘導の記事も、インターネットができる前ならある程度有効だったのでしょうね。安値で売られているランドセルの価格をチェックしようと思っても、簡単にチェックできるわけではないでしょうから。
でも、このご時勢でこの記事は、いくら何でもねえ。調べようと思えば30秒で調べられてしまいます。
世論誘導を本気でしようと思うなら、もう少し頑張りましょうよ。
- 「6万円でも安い方」ランドセル、家計に重荷 無料配布や見直す動き広がる
西日本新聞 2016年3月25日 [↩]
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