ニュースを見ていると、テレビの視聴率に関するものをよく見ますよね。「最近の月9はなかなか10%を超えられない」とか、「ゴールデンタイムの連ドラが3%台だからそろそろ打ち切りだ」とか言ったニュースを見たことがある人は多いでしょう。
でも、この視聴率って、どの程度信頼していいのでしょうか?
視聴率は、一台一台すべてのテレビで調査しているわけではありません。いくつかサンプルを選び、そのデータから平均を取って、その数字を公表しているわけですよね。
でも、サンプルを選んで平均を出しているという事は、当然ですが、誤差があるはずです。サンプルの平均は、あくまでサンプルの平均ですからね。全体としての平均とは微妙に違うはずなのです。
本来なら、その誤差も公表してほしいですよね。それがあるかどうかで、印象もだいぶ違うでしょう。
誤差の幅で受ける印象も違いそう
平均が10%でその誤差がプラス・マイナス1%の範囲だとしたら、まあ10%ぐらいの視聴率なんだと思うでしょう。9%から11%のものを10%として発表しているわけですからね。
でも、誤差がプラス・マイナスで5%ほどもあったら、全く視聴率もあてになりませんよね。本来は5%から15%の幅なのに、それを10%と言われても、ちょっと納得は出来かねます。
あるいは、誤差が1%程度だったとしても、深夜番組だったらかなり問題でしょう。深夜番組だと1%を下回るような番組も多いはずです。という事は、実際には公表された視聴率の2倍である可能性すらあるわけです。逆に、本当はゼロに近い可能性もあります。
実際に誤差はかなり大きい
さて、実際のところ誤差はどうなっているのでしょうか。視聴率をやっているビデオリサーチのサイトをチェックしてみました。
そうすると、視聴率の誤差はかなり大きいことが分かりました。視聴率の高低で誤差の幅も違うのですが、最大で4%も誤差があるのです。誤差が最大になるのは、視聴率が50%の時です。
ちなみに、ここで誤差と言っているのは、次のようなものだと考えてください。
サンプルを使って視聴率を計算した場合、全体の視聴率は95%の確率でサンプル視聴率の誤差の範囲に入る
ですから、サンプルの平均が50%で誤差がプラス・マイナス4%だとしたら、95%の確率で本当の視聴率は46%~54%の範囲に入るという事です。
ビデオリサーチのサイトにある計算式を使うと、よく話題になる10%とか5%程度の水準でも、誤差は意外と大きい事がわかります。例えば、10%の視聴率の場合はプラス・マイナスで2.4%の誤差があります。あるいは、5%の視聴率の場合は、プラス・マイナス1.8%の誤差があります。
つまり、10%の視聴率と発表された番組も、本当は7.6%という可能性もあるわけです。10%と7.6%では、かなり印象が違いますよね。
深夜だとさらに大変なことに
ちなみに、深夜だとさらに大変なことになります。
視聴率1%のときの誤差は、プラス・マイナス0.8%もあります。0.5%のときは0.6%の誤差です。
つまり、誤差を考慮すると、本当は2倍前後の視聴率を取っている可能性があるのです。この調査って、どれほど意味があるのでしょうか。
高視聴率の議論には使えるが低視聴率の議論には向かない
50%と発表されたものが本当は46%だったとしても、実際はたいした問題では無いでしょう。でも、0.5%と発表された視聴率が1%を超えているとしたら、議論の根拠とする数字としてはかなり問題ですよね。
ただ、マスコミの皆さんはこのあたりの点に関心が無いようで、サンプルをとって調べた視聴率が実際の視聴率だと思い込んで議論をします。もうちょっと勉強した方が良いと思うんですけどね。
また、テレビ局関係者も、どの程度分かっているのか疑問があります。
さすがにトップの人たちは分かっていると思います。そうでないと、経営方針も立たないでしょうから。
でも、現場の人は、少しの視聴率の上下に一喜一憂しているようですね。そんな場面をテレビを通じて見たこともあります。
ちょっとした上下なら、単なる誤差なのにね。
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