前のページで書いたように、高橋みなみのデビューアルバムは爆死しそうな状況です。1万枚程度しか売れない可能性が大きそうなのです。
でも、彼女のCDには、かなりの大物がたくさん参加していますよね。あまりにCDが売れないと、有名な作詞家・作曲家でも、たいして稼げない可能性がありそうです。
具体的に今回のケースでは、彼らはどの程度稼げるものなのでしょうか。そして、レコード会社は黒字にすることが出来るのでしょうか。
ざっくりと計算してみましょう。(ざっくりなので、細かい部分は無視していることは、最初に断っておきます。)1
Contents
小売店の売上高を合計すると3,000万円
まず計算すべきなのは、小売店での最終的な売上高の合計でしょうか。
仮に1万枚売れたとして、CD1枚が3,000円とします。となると、小売りの段階の売上高は合計3,000万円です。
これは単純な掛け算ですね。
CDの売上高が全部で3,000万円という時点で、かなり額が小さい印象があります。何せ、それを色々な関係者に分配しないといけないのですから。
3,000万円はこんな感じで分配される
音楽CDの場合、かなり特殊なルールで売り上げの分配があるようです。3,000万円はどんな風に分配されるのでしょうか。
まず、どんな人に分配されるかについて把握しておく必要があります。大雑把に言うと、レコード会社、作詞家、作曲家、歌手などの分配を考えることになります。
その他にも編曲者や演奏者などがいますが、その方々への分配はちょっと置いておきましょう。
小売店の取り分
小売店の取り分ですが、全体の3割程度あります。3,000万円の3割ですから、900万円ですね。
つまり、小売店としては、2,100万円で仕入れて3,000万円で売ったというイメージです。
ジャケット・ブックレット・CDケースなど
さらに、CDケースやら、ジャケットやら、ブックレットやらの費用がかかります。これは幅があるようですが、売値の10%程度と考えて良いようです。
今回の場合は、300万円という事ですね。
著作権使用料
次に、著作権使用料というのがあるそうです。これは、いわゆる印税などの原資になるお金です。
CDの売り上げに対して6%が著作権使用料として取られます。これは固定の数字で、どの音楽CDでも変わりません。
今回でいうと、3,000万円の6%の180万円ですね。
ここから作詞家、作曲家などへの印税が支払われます。印税としていくら払われるかについては、後述しましょう。
高橋みなみの歌に対する印税
さらに、アーティスト印税というのが発生します。今回の場合は、高橋みなみの歌に対する取り分です。
これは人によってかなりバラつきがあるようです。1~3%が相場という事ですね。
今回は真ん中を取って2%としておきましょう。金額にすると60万円です。2
ここまでの金額をすべて合計すると、1,440万円かな。
レコード会社の取り分
高橋みなみのCDをレコード会社が制作したとすると、レコード会社の取り分は1,440万円と3,000円の差額になります。つまり、1,560万円という事ですね。
だいたい、こんなふうにお金は分配されます。
レコード会社は経費がかかる
こうやって書くと、レコード会社の取り分が圧倒的に多いような印象を持つでしょう。でも、実際には、レコード会社は赤字の可能性も大きそうです。
今回の場合はレコードが会社が音楽を作っているので、まず音楽の制作費用がかかります。編曲から先の作業って事でしょうね。
ということは、編曲者や演奏家に払うお金もここから出ます。
そしてその後は、宣伝費もかかりますね。どうやら流通のコストもレコード会社持ちのようです。
さらに営業部門と管理部門の人件費も当然ここから出ることになります。施設の使用料なども、ここからの支出ですね。
宣伝費が一番気になります
この中で特に気になるのが宣伝費です。AKB48元総監督の高橋みなみのデビューアルバムですから、それなりのお金を掛けないわけにもいかないでしょう。
率直に言って、1,560万円で収まるとは思えないんですよね。実際どこまで宣伝しているかわからないので、正確なことは言えませんが。
まあ、全くの新人歌手だったら、黒字になった可能性が大きいのでしょうね。それほど宣伝費はかけないはずですから。
結局のところ、高橋みなみという宣伝しないわけにはいかない人なので、最終的に赤字になったのではないかと思うわけです。
次ページ:作詞家・作曲家の取り分は?
ちょっと長くなったので、作詞家・作曲家の取り分に関しては次ページに譲りましょう。
そして最後に、高橋みなみがが音楽活動を続けられるのか考えてみることにします。
- ちなみに、次のページを参考にしました。
超入門!音楽業界のしくみ > 4-3 収入のシミュレーション [↩] - 厳密に言うと、アーティスト印税は、もうちょっと少なくなるようなんですけどね。今回は概略が分かればいいので無視します。 [↩]
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