2016年12月2日から4日に行われた読売新聞の世論調査によると、カジノ解禁に「反対」する人は57%もいたのだそうです。個人的には意外に大きな数字に驚きました。一方で、「賛成」した人は34%いました。1
ちなみに2014年の10月の調査では、「反対」が63%、「賛成」が24%だったそうです。「反対」が6ポイント減り、賛成が10ポイント増えたわけですね。
若干容認派が増えたという言い方も出来なくはないですが、2年たっても世論は大きく動かなかったとも言えそうですね。
パチンコがどこの街にもある日本で今更という感じもします
上に書いたように、個人的に反対派が意外と多いのに驚いたというのが私の感想です。何故驚いたかというと、これだけたくさんのパチンコ店がある日本ですから、カジノが出来たとしても大差ないだろうと思っているからです。
日本には、パチンコ店やら競馬や競輪などの公営ギャンブル、雀荘なんかもたくさん存在します。株式やFXなどを使って、ギャンブルまがいの事をするのも簡単です。この環境でカジノがダメなのかと、不思議に思うわけです。
そもそも、カジノはダメだと思う人が多い割には、パチンコ店を潰せなんて運動はありませんからね。かなり矛盾しているのではないでしょうか。
現状維持バイアスなのでしょうか?
パチンコ店がこれだけある日本でもカジノはダメだと思う人がいるのは、もしかしたら、現状維持バイアスの影響かもしれません。
源氏鵜維持バイアスというのは、行動経済学の考え方の一つです。すごく簡単に言うと、人間は大きな変化を嫌い、現状維持を望む傾向があるようです。この事を現状維持バイアスと言います。
今回のケースでも、カジノというよく分からないものを入れるよりは、現状維持を望む人が多かったのではないかと思います。こういう事なら、世論調査で反対が多いのも納得はいきます。
依存症などを問題視する人もいるが
もちろん、人によっては、カジノ反対の明確な理由を示す人もいるでしょう。例えば、ギャンブル依存症が心配だとか、治安の悪化が心配という意見を持っている人もいるはずです。
でも、そうしたものが心配なら、そもそもパチンコの禁止に動くべきですよね。今既にあるパチンコを問題視せず、カジノをダメと言っても、全く説得力がありません。
また、カジノに入場制限をすることだって可能です。極端な意見としては、日本人はカジノへの出入りを禁止するなんてものもあるようです。
つまり、なんだかんだと理由をつけていても、結局は、現状維持を望んでいる人が多いというだけの話ではないかと思うのです。
「どっちでもいい」では現状維持バイアスに負ける
率直に言って、日本にカジノを作ろうと言われても、「どっちでもいい」という意見の人が多いでしょう。そもそも、あまり興味が無い人も多いでしょうしね。
でも、「どっちでもいい」という意見が多い場合は、世論調査では反対が多数となるのです。現状維持バイアスがはたらきますから。
ですから、世論調査で賛成する人を増やそうと思えば、積極的にカジノを作った方が良いと思う人を増やさないといけないわけですね。「どっちでもいい」ではダメなのです。何か、カジノを作った方が良い、強い理由が必要なわけですね。
もっとも世論調査上は反対派が多くても、実質的にどちらでもいいという人が多いのなら、法律を作って後から納得させるという方法でも良いとは思います。その証拠に、たいして審議をしないでカジノ法案を衆院で通しても、それほど大きな反対は無いようですし。
例によって、審議が短いことを政権の揚げ足取りに使おうと思っている人たちはいますけどね。民進党を筆頭に、リベラル色が強いと思われるメディアはそんな感じです。
- カジノ解禁に「反対」57%…読売新聞世論調査
読売新聞 2016/12/4 [↩]
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