最近、民泊に関する報道が増えています。でも、実際のところ、どの程度儲かるのでしょうか。
ダイヤモンドオンラインにAirbnbホストという会社を使った場合の年間収入が紹介されていました。Airbnbホストの言うのは、仲介業者ですね。1
「2016年、日本の標準的なAirbnbホストのホスティングによる年間収入額100万4830円」
年間売上100万円だと厳しい
ダイヤモンドオンラインの記事の中では、この金額を「ホストにとって魅力的な側面がある」と評価しています。でも、年間で100万円の収入って魅力的なのでしょうか?副業としてもちょっと疑問ですね。
もちろん、何の手間も無く年間100万円入ってくるのなら、確かに魅力的だとは思います。ワンルームマンションなのか空き部屋の提供なのかは知りませんが、手持ちの不動産を有効に使えるという意味では効果的な方法でしょう。
でも、民泊の場合は、それだけではありませんよね。掃除やベッドメイキングなどの作業が発生しますし、鍵の受け渡しも必要でしょう。このコストを考えると、不動産を提供して100万円では割にあうとは思えないのです。
しかも、宿泊客がトラブルを起こす可能性があるんですよね。それに対する対処もある意味コストです。場合によっては大きな損害につながる可能性もありそうですね。
また、おそらくここで言っている100万円は、利益ではなく平均的な売上でしょう。ここからさらに、様々なコストを差し引かないといけないわけです。
100万円の利益だとしてもたいした額だとは思えません。100万円が売上だったら、バカバカしくてやっていられないというのが率直な印象です。バイトでもした方がマシとすら思わないではありません。
例えば、5件とか10件とか物件をもって、専業にするのならビジネスになり得る気もします。あるいは、自宅で仕事をするような人が、空いている時間を使って運営するくらいでしょうか。
まあ、民泊は意外とハードルが高いと思っておいた方が良さそうですね。
平均100万円という事は中央値が100万円という意味ではない
今回紹介した記事では、民泊の平均収入が年間100万円と紹介されていました。でも、この表現にはちょっと注意が必要です。「平均」と言う言葉が誤解を与えている気がするのです。
というのも、平均100万円と言うのは、中央値が100万円ということではないからです。中央値と言うのは、例えば、100人いたら50番目の人の数字という意味ですね。
この手の統計では、平均値と比べ中央値は小さくなるものです。なぜかというと、一部の高価格に設定して儲けている人が、平均を引き上げるからです。ということは、予想される売り上げは100万を下回ると考えておいた方が良さそうですね。
100万円という数字が意外と厳しいものであることは、ビジネスホテルの料金からも推測できます。例えば、「東横INN門前仲町永代橋」というところは、シングルの一泊の料金が7,100円なのだそうです。
仮にこの部屋の稼働率が50%だとすると、年間の売り上げは129万5750円になります。稼働率の設定がちょっと低いかなあと思わないではないですが、ビジネスホテルですら一室の売上は年間100万円台であることが予想されます。
一般に、民泊がビジネスホテルよりも高い料金を設定するのって、ちょっと難しいですよね。稼働率だって、そこまで高くはできないはずです。という事は、年間100万円という売上は、実はそれほど簡単ではないと考えて良い事が分かるでしょう。
やっぱり、民泊の経営はちょっと厳しそうですね。
- 民泊「Airbnb」ホスト生の声…儲けやトラブル、婚活目的も!?
ダイヤモンドオンライン 2017/6/9(金) 6:00配信 [↩]
スポンサードリンク
スポンサードリンク