歯医者を選ぶのに何時間もかけてしまった| 頼むから患者が選べるような情報を提供してくれよ

以下、歯科医というか歯科治療というか歯科関連の業界に対する愚痴です。

でも、同じように思っている人は、少なからずいるのではないかと思います。はっきり言って、現在の状況だと、歯科医を選ぶだけでも一苦労なんですよね。

多すぎるのは消費者の利益にならない

最近は歯医者の数が増え、歯科医院の数がコンビニの数よりも多くなったなんて話も聞きます。実際、街を歩いてみると、歯科医院やその看板を見かけることも多いですよね。

選択肢が増えるのは私たちにとって良い事のように思う人もいるでしょう。しかしながら、実際には多すぎる選択肢はマイナスです。人間は選択肢が多すぎると選べなくなってしまうからです。

例えば、すごい膨大なワインリストのレストランがあったとします。その中から今日飲む一本を選べと言われても、ちょっと困ってしまう人が多いでしょう。

結局、大体の予算を伝えて、ソムリエに勧めてもらうなんてことが多そうです。

また、ショップなどでも、陳列する商品の種類を絞るのは珍しい事ではありません。そうすることでお客さんが選びやすくなり、売上が伸びるケースもあるからです。

まあ、商品が充実しているという雰囲気が無くなりますから、痛しかゆしな部分はありますが。

何を基準に選んでいいのかわからない

さて、歯科医院の話に戻りましょう。

生活圏内の歯科医院が2つとか3つ程度なら、選択はそんなに難しくないでしょう。自宅との距離だとか、診察時間だとかを中心に簡単に選べます。

特にその地域に住んで長い人なら、それぞれの歯科医院の評判も耳に入ってくるでしょうしね。

しかし、コンビニくらい多いとなると、そうもいきませんよね。コンビニだったら、同一チェーンなら同一商品が置いてあることが多いので、多くても3つか4つからの選択で済むのですけどね。

歯科医院の選択でさらに難しいのが、サービス内容が見えにくいという点です。そもそも受診してみないと、技術がある歯科医なのかどうかがわかりません。

単純に近いところを選ぶという手もありますが、そうした結果、満足いかない治療を受けるなんて可能性も捨てきれません。実際、私自身も、近所の歯科医院で失敗したことがあります。すごく痛かった上に、治療した箇所でトラブルが起きました。

自由診療をやりたがる歯科医院も多い

また、保険診療を中心にやっているのか、自由診療を中心にやっているのかもわからないですよね。自由診療というのは、いわゆる保険外の診療です。インプラントなどはこれに当たりますね。

特に悪質なのが、保険診療を受診するつもりで歯科医院に行った患者に、半ば強引に自由診療を勧めてくるようなケースです。患者が保険診療を希望すると、露骨に嫌な顔をするなんてところもあるようですね。最初にカウンセリングと称して、自由診療に誘導するケースもあるようです。

ホームページなどを見ていると、自由診療をしたいという思いが露骨に伝わってくるところもあります。自由診療への取り組みに熱心であることをさんざん書かれているのです。

基本的には自由診療をやりたいのだろうと思って読んでいると、最後の方に、「もちろん、保険診療でも全力で対応させていただきます」などと書いてあったりします。自由診療をしたいのなら、いっそのこと保険診療は行いませんとか書いてくれるといいんですけどね。自由診療の患者だけでも経営が成り立たないので、保険診療を切ってしまうことも出来ないのでしょうかねえ。

まあ、ホームページの記述の大半が自由診療についてだったら、保険診療をやりたくないという気持ちが伝わるからまだいいのですけどね。保険診療は嫌なんだろうなあという思いがにじみ出ていますから。

さすがにここに行って、「保険診療を」と言う気にはなれません。ああ、そういえばこの歯科医院は「一人につき30分以上掛けている」とも書いていましたね。やっぱり、保険診療はお願いしづらくなりそうです。

なんにしても、ホームページで情報提供をするなら、分かりやすく保険診療はやりたくないと書いていただけると助かります。

歯科医院が増えすぎなんだよね

実は、こういう現象が起こるのも、歯科医院が増えすぎたからという側面もあります。歯科医院が増えると、医院一つあたりの患者の数は減りますよね。ということは、売上が減少することになるのです。

それを補おうと思ったら、利益になりやすい自由診療を積極的にやろうという話になるわけですね。歯医者さんも生活がかかっていますから、やむを得ない部分もあります。

ちなみに、ネットなどで歯科医が情報発信しているのを見ると、「保険診療をしていると100%の力が出せない」のが理由で自由診療をしているという主張を多く見かけました。

もちろんそういうケースが無いとは言いませんが、実際には生活のためという人が多いのではないですかねえ。奪い合うパイが限られているのなら、単価を上げるしか方法がありませんから。

ちなみに、世の中には、「患者に自由診療を選択肢てもらうための講座」なんかもあるそうです。商売ですから、売上を増やすのに必死なんでしょうね。

顧客のニーズを分かっていないのだろうか?

歯科医院のサイトを見ていると、顧客のニーズがあまりつかめていないのではないかという気がしました。

例えば、保険診療への取り組みがどうなっているのか、知りたいと思う人も少なくないでしょう。ここまで自由診療をしたがる歯科医師が多いと、最初からそういう医院は排除したいと考える人も多いはずです。

その部分の情報が欲しいのに、自由診療の解説を延々と書かれても、困ってしまいます。まあ、そういうところは、最初から保険診療に熱心では無いのかもしれませんが。

率直に言って、自由診療を積極的にやりたいところは、保険診療の患者には極力来てほしくないと書いてほしいんですよね。歯科医院を選ぶ際の選別がしやすいので、その方が患者も助かると思うのです。

もちろん、歯科医院としては、保険治療目的の患者を説得して、最終的には自由診療を選択させたいのでしょう。でも、患者としたら、迷惑以外のなにものでもありません。

歯医者が増えすぎたのは国のせい

もっとも、歯科医院が増えすぎたのは国のせいという側面もあるんですよね。というのも、日本は医療に関しては社会主義のような仕組みになっていますから。

保険診療の場合は、価格を決めるのは国です。ですから、保険診療の枠内でおさまっている限り、患者を増やすしか売り上げを上げる方法がありません。仮にあったとしても、限られたもののはずです。

その一方で、歯科医院の数を決めているのも国なんですよね。というのも、大学の認可をするのも国ですし、国家試験を行って歯科医師の数をコントロールしているのも国だからです。

ということは、保険医療という範囲内に限れば、歯科医一人当たりの売り上げを決めているのは国だということになります。

歯科医師の供給過剰という事になれば、当然ですが、一人当たりの売上が下がるわけです。そうなれば、売上が大きい自由診療という話になるのは仕方がない部分もあるでしょう。

つまり、国の制度の不備が歯科医院を選べないという問題の根幹にあるとも言えるのです。

繰り返しますが、本来は自由診療を積極的にやりたい歯科医院は、そのように謳って患者を集めればいいわけです。例えば、美容整形外科なんて、そういうビジネスモデルですよね。美容整形外科に行って、保険診療を期待する人は少ないでしょう。

やっぱり、保険診療をつもりの患者を無理に説得して、自由診療を受けされるというのはちょっと嫌な感じですからね。

ただ、歯科医が多すぎるという状況なので、歯科医院の事をそんなに責める気にもならないんですよね。でも、患者の立場から言うと、もうちょっと選びやすくなっていて欲しいですね。

価格が分からないのも自由診療の壁なんだよね

自由診療を勧められる可能性があるときに、個人的に気がかりなのが、治療にいくらかかるか分からないという点です。

保険診療だったら、料金は国が決めているわけですから、とんでもない高額な請求が来ることはありません。しかも、高額療養費という仕組みがありますから、月額の医療費の上限も決まっています。

しかし、自由診療の場合は、いくら取るかは歯科医院の裁量に任せられています。同じ治療を受けても、A歯科とB歯科で料金が全然違うという事も起こりうるわけです。

おおよその費用の目安が事前に分かっていれば、もしかしたら自由診療で受診してもいいと思う人も増えるかもしれませんよね。でも、自由診療の時の料金って、なかなか見つけるのが難しかったりするのです。

自由診療をする歯科医院の数が少なければ、比較サイトのようなものも作れるかもしれないんですけどね。数が多すぎて、そういったサイトを作るのも難しいでしょう。

結局、歯科医院に行ってみて、料金を聞いて判断しないといけません。はっきり言って、不親切この上ないです。

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